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言葉を通して知るアイヌ文化12

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北海道幕別町

アイヌ語に由来する地名(2)止若(やむわっか)

広報2月号では、アイヌ語に由来する地名として古舞を取り上げましたが、アイヌ民族が動植物の採集をしたり、儀礼を行ったりしていたところにはアイヌ語の地名があります。
現在でも、地図などにアイヌ語に由来する地名がたくさん載っていますが、もとのアイヌ語のままではなくなっていたり、指し示す範囲も変わっていたりすることがあります。また、日本語に置き換えられたものもたくさんあります。
現在の幕別市街のあたりはかつて止若(やむわっか)と呼ばれていましたが、アイヌ語のヤム・ワッカ・ピラ(冷たい・水の・崖)に由来します。猿別川下流の東岸に冷たい水が湧き出すところがあったことからそう呼ばれていたといわれています。ヤムワッカピラは、漢字二文字で表記するという日本語の地名表記の習慣に合うように、ピラが削られて止若となりました。
止若は村名、字名として長く使われていましたが、昭和41(1966)年に止若と明野の一部が旭町、幸町、本町、錦町、寿町、南町、宝町、緑町、新町となり、この字名はなくなりました。相川と幕別市街をつなぐ止若橋のほか、明野の幕別墓地にあるヤムワッカウタリ慰霊碑(国道工事の際に出てきたアイヌの遺骨を埋葬しています)などに名前が残っています。

※「ヤム・ワッカ・ピラ」の「ム」、は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。

文・写真:阪口諒(さかぐちりょう)

問合せ:生涯学習課学芸員
【電話】(幕)54-2006

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