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言葉を通して知るアイヌ文化15

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北海道幕別町

トゥレプ(オオウバユリ)

アイヌ民族は食用・薬用・まじないなど、さまざまな分野にわたって植物を利用してきました。その中でもオオウバユリは、ギョウジャニンニクとともにハル・イッケウ(食料の・背骨=中心になるもの)と呼ばれ、食料として大切にされていました。
オオウバユリはアイヌ語ではトゥレプといい、種子から花が咲くまで7、8年掛かります。アイヌ民族は花のないものを「雌のオオウバユリ」、花を咲かせたものを「雄のオオウバユリ」と呼んでいました。日本語のウバユリは、ウバ(姥)=おばあさんユリという意味で、花が満開になるころに葉(歯)がなくなってしまうことに由来します。
6月から7月になると、花の咲いていないオオウバユリを掘って、でんぷんがたまった塊茎(球根)を集めます。集めた塊茎は鱗片を一枚ずつはがして丁寧に洗い、臼や桶で潰します。十勝地方では、これを樽に入れて、フキの葉で包み数日間発酵させます。その後、ザルで漉して、でんぷんと繊維質に分けます。不純物が少なくて粒子の細かい一番粉は、お腹を下したときに飲むと良いといわれていました。また、粒子が粗くて繊維などを含む二番粉は、おかゆに混ぜたり、団子状にして焼いたりしたそうです。また、繊維質はドーナツ状に固めて乾燥させます。こちらは削ったものを水に戻し、鍋で煮たり、おかゆに加えたりしました。

※「トゥレプ」の「プ」、は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。

文・写真:阪口諒(さかぐちりょう)

問合せ:生涯学習課学芸員
【電話】(幕)54-2006

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