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言葉を通して知るアイヌ文化 22

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北海道幕別町

■ござ(キナ・チタラペ)

冬から春にかけての時期には、糸よりやござ織りなどが行われていました。ござは日常的に床に敷いて使っており、来客を迎えた時には、新しいござを下ろしてきて客人の席を用意します。また、カムイノミ《神への祈り》の時など、儀式の際にも祭具の下に敷いたり、屋内の壁や屋外の祭壇を飾ったりします。人が座る時に使用する文様が入っていないござはキナといいますが、同じござでもカムイノミなどに使われる文様の入ったものはチタㇻペといいます。ちなみに、キナという言葉は、食用になる草やござ編みなどに活用できる草を指すのが一般的ですが、ござそのものも指します。
ござの材料は川や沼に生えているガマやスゲです。ガマは初秋の頃に刈り取ってきて干し、冬の間に織り機を使ってござにしていきます。ござに文様を入れる時には、木綿やシナノキ、赤や黒に染めたオヒョウの内皮を織り込みます。
材料となるガマの茎葉の中はスポンジ状になっているため、ガマを使ったござは柔らかく、断熱性にも優れています。そのため、様々な植物がある中で、ござに最適なので、ガマはシ・キナ《真の・草》と呼ばれます。スゲを使ったござもありますが、ガマで作ったござに比べると丈夫ではなく、長持ちしないようです。

※「チタラペ」の「ラ」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。

文:阪口 諒(さかぐち りょう)

問合せ:生涯学習課 学芸員
【電話】(幕)54-2006

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