イギリスのジャパン・ハウス ロンドンで開催中の「アイヌ・ストーリーズ」展の関連事業として、3月19日(火)~27日(水)の9日間、アイヌ工芸に関するイベントのため、二風谷民芸組合の方が派遣され、刺しゅうや木彫など伝統的工芸品を紹介しました。
■工芸デモンストレーション
初回は、デモンストレーションを実施し、北海道大学・山崎幸治教授によるイギリスにあるアイヌコレクションの紹介、刺しゅうや木彫、文様などのスライド解説から始めました。イタやイナウづくりの実演と続き、参加者は50~60名ほどで、質疑応答では「イタを一人前に作れるようになるにはどれくらいの時間がかかるのか」「イナウは、なぜそのような綺麗な形になるのか」などの質問がありました。終了後は、テーブルの上にあるイタをもっとよく見ようと、参加者がテーブルの前に集まり、熱心に見ながら工芸家にさらに多くの質問をしていました。
■工芸ワークショップ
刺しゅうと木彫の工芸ワークショップは、ジャパン・ハウス ロンドンで5回、オックスフォードにあるアシュモレアン博物館で4回実施され、多くの人にアイヌ工芸を体験してもらうことができました。通訳はいましたが、やり方を見せながら工芸家と参加者のコミュニケーションがとれ、よい交流の場となりました。
今回は、オックスフォードでも工芸ワークショップを実施し、ロンドンとはまた違った街並みで雰囲気もアットホームな感じがあり、アシュモレアン博物館の職員からは、今後も何かこのような取り組みができたらよいという言葉をいただきました。
■ギャラリー・ツアー
「アイヌ・ストーリーズ展」を紹介するギャラリー・ツアーが、関根健司氏・関根摩耶氏により実施され、約40名の方が参加しました。アイヌ語による自己紹介から始まり、英語ベースで解説を行いました。展示に関して地域の生の声を届けるツアーであり、参加者からも多くの質問が投げかれられ、有意義な交流を行うことができました。
令和5年11月16日から始まった「アイヌ・ストーリーズ展」は、令和6年4月21日までジャパン・ハウス派遣事業(アイヌ政策推進交付金事業)として計4回、延べ約40名の地域住民が渡英しました。今後、この派遣事業についての報告会を予定しています。
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