今月の保健師 渡邊麻依子さん
新たな年が始まり、あっという間に1か月が経ちましたね。2025年、皆さんはどのように過ごしたいか考えていますか?健康であればいいかな〜という方も多いのではないでしょうか。私も同じ気持ちです。健康のために大事なことはたくさんありますが、中でも侮れないものが「睡眠」です。昨年11月に行ったメンタルヘルス講演会に来ていただいた方には重なる内容もありますが、おさらいも兼ねて読んでいただければと思います。
■弟子屈町の睡眠状況って?
町では、健康増進計画「元気てしかが21」(第二次)を策定しています。この計画には数値目標があり、睡眠についての目標も掲げています。令和5年の統計では、10人に3人は休息があまりとれていないと感じています。皆さんの身近にも寝不足を訴えている、もしくは日中眠そうにしている方はいませんか?現代の日本人の睡眠時間は平均7時間ですが、実は60年前と比べて1時間も短くなっているのです。そして、十分な時間眠れている、と思っていても実際は休めていない、なんてこともあるのです。睡眠時間の長さも大切ですが、本人が休養感(目覚めた時に休まった感覚)を得られているかどうかが重要になります。
■寝だめは何故ダメ?
ここ数年、「睡眠負債」という言葉をよく耳にするようになりました。特に働き世代の方々は、平日の睡眠負債を解消するために、休日に長く眠る(寝だめする)ことも多いのではないでしょうか。睡眠時刻に平日と休日でズレが生じることを「社会的時差ボケ」と言い、それが続くことで体内時計が乱れ、表のような影響があると言われています。
▽睡眠不足・社会的時差ボケによる影響
1.集中力・判断力・記憶力の低下、認知症リスク
2.不安・抑うつ、気分障害のリスク
3.食欲増進・肥満⇒生活習慣病のリスク(糖尿病、高血圧、脳卒中、心疾患など)
4.免疫力の低下
■良い眠りのための3ポイント
(1)寝る環境を整える…眠くなってから寝床に入り、20分たっても眠れない時は寝床から一度離れましょう。テレビやスマホは寝床で見ないようにし、寝室を自分の好きな香りで満たしたり、足や目を温めることも効果的です。
(2)ストレスをためない…悩みを1人で抱え込まず、人と話したり、感情を吐き出すことも大切です。なかなか難しいですが、捉え方・考え方を変えることで気持ちが楽になることもあります。
(3)生活習慣を整える…下図は理想的な睡眠スケジュールの一例です。特に、社会的時差ボケが生じないように、平日と休日の起床時刻のズレは2時間以内にとどめると良いとされています。
今回は睡眠についてお話しました。2025年はスリパ(スリープパフォーマンス)を意識して1年過ごしてみるのはどうでしょうか?また、睡眠に関して困っている方、周囲に寝不足が続いていて心配な方がいたら、かかりつけ医もしくは役場保健師までご相談くださいね。
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