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【特集】有料指定ごみ袋の知らないセカイ

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北海道恵庭市

皆さんは普段家庭で使っている有料指定ごみ袋が、どのように作られているか知っていますか?
皆さんの家庭に届くころには、袋詰めされた状態でセット販売されているごみ袋。一体、どのような工程で製品化されているのでしょうか。
今回は普段何気なく使っているごみ袋が、皆さんの家庭に届くまでを紹介します。

◆ごみ袋の製造工場に潜入
有料指定ごみ袋が製品化される工程は、「ごみ袋の基となるロール状のシート※1をつくる作業」と「ごみ袋を成型して袋詰めする作業」の2つに分けられます。
まずは「ごみ袋の基となるロール状のシートをつくる作業」の工場を見てみましょう。
下準備として、皆さんが使用しているごみ袋の「燃やせるごみ用」などの文字の印字に必要なデザインの製版を行います。製版は、鉄芯と呼ばれるロール状の鉄に、半導体レーザーで凹凸を形成することで完成。
つぎに、ごみ袋の基となるシートづくりです。マスターバッチと呼ばれるプラスチック用の着色剤を溶解し、シート状にしていきます。このシート状のフィルムは、下から熱風が送り込まれ、円柱状に。その後、先ほど紹介したデザインの製版による印刷がされ、ロール状に巻き取られていきます。
こうして、完成したロール状のごみ袋は、製袋作業が行われるつぎの場所へと運ばれていきます。
▽用語解説
※1…ごみ袋に成形する前の1枚のプラスチックフィルム

◆有料指定ごみ袋ができるまで~工場編~
・袋の形状をしているかと思っていたごみ袋は、ロール状に作られていたんだね!
※詳細は本紙をご確認ください

◆ごみ袋の製袋作業現場
ロール状になったごみ袋は、「ごみ袋を成型して袋詰めする作業」が行われる障がい者支援施設『社会福祉法人恵庭光風会』に届けられます。
届いたロールは製袋機にセットされ、引っ張り出しながら、ごみ袋の長さに合わせて底の部分を熱溶着してカット。このようにして、ごみ袋として成型されたものは、穴あけや点字加工により、視覚障がい者にもわかりやすい工夫がされています。
その後、計量検査や検品を経て、袋詰め作業へ。10リットルや20リットルの大きさのごみ袋は機械で袋詰めされていきますが、5リットルなどの小さなごみ袋は、恵庭光風会の障がい者の人たちによって手作業で袋詰めが行われています。
作業手順をみていくと、まず検品として1枚1枚の大きさを確認。規定のサイズを大きく上回るものは、すべて廃棄します。無事検品を終えたごみ袋は、手折りによって外袋へ。計量器で重量を測り、枚数を確認した後、外袋を熱溶着して閉じていきます。
袋詰めを終えたら、ロット番号※2などが記載されたラベルを貼り、箱詰めすると完成となります。
▽用語解説
※2…製造された製品の最小単位

◆有料指定ごみ袋ができるまで~恵庭光風会編~
▽ワンポイント!
視覚障がい者の人がどの種類のごみ袋かわかるよう、「燃やせないごみ用」と「生ごみ用」にエンボス加工をしています。(なにも加工されていないのは「燃やせるごみ用」)
「燃やせないごみ用」…外袋の右上に穴あけ、ごみ袋のベロ部に穴あけ
「生ごみ用」…外袋に点字シール貼付、ごみ袋の持ち手に穴あけ
・恵庭光風会では、機械作業だけではなく、障がい者の人の手作業によって作られているんだね!
※詳細は本紙をご確認ください

◆みんなで考えよう!
このように、ごみ袋が皆さんの家庭に届くまでには、さまざまな工程を経ていることを紹介しました。
ここからは、有料指定ごみ袋が抱えている問題について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
まず、ごみ袋の『厚さ』についてです。現在、恵庭市では厚さ0・027mmの有料指定ごみ袋を使用しており、JIS規格の基準を満たしています。市民の皆さんから、「破れやすい」との声もありますが、近隣自治体で多くみられる厚さ0・03mmにすると、その分だけ多くの資源が必要となり、製造コストも上がってしまいます。また、焼却施設でごみを混ぜ合わせるときに、破れにくくなり、ごみの均質化の妨げになります。
このように、資源やコストについて十分に考慮した結果、いまのごみ袋が作られています。
つぎに、ごみ袋の『素材』についてです。燃やせるごみ袋には、バイオマスプラスチックという、植物などの再生可能な有機資源を原料とする、環境にやさしい素材が使われています。バイオマスプラスチックを使用することで、二酸化炭素の排出量が削減されるなどのメリットがあることから、今後は他の種類のごみ袋にも導入することを検討しています。
さいごに、ごみ袋を『レジ袋』として活用する取り組みについてです。2020年7月からレジ袋が有料化されました。この有料レジ袋の代わりにごみ袋を購入して活用することで、持ち帰った後に家庭でごみ袋として使用することができます。
現在のごみ袋は5枚1セットでの販売となっていますが、種類によっては頻繁に使用する機会がないことから、市では、今後ばら売り販売を行う店舗を拡大していくことを推進していきます。ごみ袋のデザインを使いやすいものに変えるなどの検討は必要になりますが、ばら売り販売により、レジ袋としても代用しやすくなりますので、皆さんもごみ袋を『レジ袋』として活用してみませんか?

問合せ先:ゼロカーボン推進室廃棄物管理課
【電話】33-3131(内線1133)

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