この人に会いたい

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■「少年の主張」全道大会で市内生徒初の最優秀賞を受賞
数馬灯里(かずまあかり)さん(恵み野中学校3年)

令和6年9月に実施された「少年の主張」全道大会で、数馬灯里さんが市内生徒で初めて最優秀賞に輝きました。続く北海道・東北ブロック大会では、惜しくも全国代表には届きませんでしたが、招待参加として11月24日に全国大会へ出席しました。
今月号の「この人に会いたい」では、全国大会から帰った数馬さんに、「少年の主張」を終えての感想と、今後の目標についてインタビューしました。

ーーはじめに、全道大会最優秀賞受賞、おめでとうございます。また、今年の恵庭市文化功労者表彰では、文化奨励賞にも選ばれました。今の気持ちを教えてください。

最優秀賞受賞当日は、うれしさよりも驚きが強く、実感がありませんでした。翌日から、多くの人に「おめでとう」と言ってもらえ、数日経ってうれしい気持ちが湧きあがってきました。
文化奨励賞は、恵庭市の中でたくさんの人が表彰されている中、自分もその中に入れてうれしかったですし、市長さんに「おめでとう」と言ってもらえたこと、賞状が大きかったこともうれしかったです。

ーー全国大会の会場で、同世代のみなさんの主張を聞かれてきた感想を教えてください。

発表者それぞれに自分なりの特別な事情があり、そのことによって生じている困難について発表していました。自分事なので、とても重みがあったし、表現も普通では思いつかないな、と思いました。発表での訴えかける感じも、とても印象的でした。

ーー数馬さんの「少年の主張」の作文は、お兄さんを題材に書かれていました。

始めは書く内容が決まりませんでした。自分には、何か他の人と違う経験があるのかな、と考えたとき、兄の変化に驚いたエピソードが真っ先に浮かびました。特別な体験ではないからこそ、聞いてくれる人にも受け入れてもらえるのではないか、と思いました。

ーー自分の考えを、自身の言葉でわかりやすく表現されていました。文章を書くことは、もともと得意でしたか。

小学校高学年の時、毎日、その日にあったことを短く書いて担任の先生に提出するというクラス活動があり、そこから書くことが好きになりました。自分の気持ちを、いろいろな表現を通して書くことに魅力を感じます。
表現力は、物語やファンタジー小説などを好んで読んでいるので、そこでいろいろな表現に触れたり、例えば「悲しい」など一つの単語について、ほかの表現はないかネットで調べたりしています。

ーー作文の中で「夢や目標を見つけようと焦る気持ちがあった」と述べていました。多くの人の前でその気持ちを語ったことで、自身に何か新たな変化はありましたか。

今回、地区大会、全道大会、全国大会と参加していくなかで、多くの発表者と交流しました。私のように夢を持っていない子も多くいて、「自分が思っているほど、みんな将来が決まっているわけではないんだ」と安心しました。また「普通に生活しながら思ったこと、考えたことを言ってくれることで、親近感が沸くよ」と言ってもらえたことも、うれしかったです。

ーー今回の経験を経て、今現在、目標としていることはありますか。

高校受験を控えているので、勉強を頑張っています。中学では美術部だったので、高校では運動部にチャレンジしたい。希望している高校にはダンス部があるので、次はダンスで自分を表現してみたいです。

ーーこれからの活躍も期待しています。本日はありがとうございました。

■数馬さんの作品は…タイトル「未来に咲く今」
私には具体的に夢と呼べるものがなく、夢を持つ友達を見て、不安や焦りを感じていた。
そんな気持ちを和らげてくれたのが、社会人3年目の兄。兄は、勉強が苦手で反抗的な時期もあり、周囲を心配させていた。アパレル業界で働きたいという夢が叶わず、最終的に配送業に就職した兄に、「希望職種じゃない仕事なんて長続きしないだろう」と思っていた。しかし、置かれた状況でやりがいを見出し、職場からも高い評価を得て生き生きと働く兄の姿に、気づかされる。もし希望通りにいかなくても、いつだって私の人生の舵を切るのは私だーー。

数馬さんを含む「恵庭市少年の主張中学校大会」で発表した5人の作文は、市ホームページに掲載されています。ぜひお読みください!

■取材こぼれ話
中学校では美術部という数馬さん。「どちらかというと、文章よりも絵の方が好きなんです」とはにかんだ。文章には限りがあるが、イラストはより自由に表現ができ、より自分のことを伝えられると感じるそう。「これからも、いろいろな手法で自分を表現することを続けていきたい」と力強く語っていました。