■消防団員 莖津 和照(くきつかずてる)さん
◇入団のきっかけは身近なところから
「職場に消防団員の方がおり、声を掛けていただいたのがきっかけで入団しました。」と話すのは、令和4年に大雪消防組合愛別消防団第1分団に入団した莖津さん。愛山地区では義理のお父さんも消防団員として活動しており、その姿を見て自分自身も町の役に立てればと入団を決意したそうだ。
自身が消防団員となり、今年7月の大雨災害による出動時、莖津さんは自然災害の恐ろしさを目の当たりにした。豪雨の影響で愛別川が氾濫し、道路や田畑が冠水、一部の住宅に被害が出る状況となった。この時、消防団員は土のう積みや排水等の作業を行い、地域の被害を最小限に抑えるための対応に追われた。この経験を経て、より消防団活動の重要性を実感したという莖津さん。「地域の方々の安心・安全のために活動できることは、やりがいであり魅力だと感じています。」と教えてくれた。
◇職場の理解が消防団活動を支える
普段は、上川中央農業協同組合で共済業務を担当している莖津さん。「組合員さまをはじめ町内のお客さまとは共済の仕事柄、良い場面でお会いすることより事故や入院等の場面でお会いすることの方が多いですが、お役に立てるように頑張っています。」と日々の業務にも真摯に取り組まれている。
消防団に入団してから、勤務中の出動要請はまだないが、平日早朝に出動し、午後から出勤したことがあったという。上川中央農業協同組合は、『消防団協力事業所』として認定を受けており、職場の方々も活動に対しての理解があるため、「お疲れ様!」と温かい声を掛けてくれるなど、団員が活動しやすい環境が整えられている。
*「今後も地域の安心・安全のために尽力し、消防団員としてやりがいをもって活動できるよう、家族としてサポートしていきたいと思っています。」と話してくれた莖津さんファミリー。
◇愛別消防団の魅力、そして入団を考えている方へ
「消防団の皆さんはとても親切で、温かく迎え入れてくださり、すぐに溶け込むことができました。」と、入団当時を振り返る莖津さん。愛別消防団には、年代や職業も様々なメンバーが集まっており、普段はなかなか接する機会のない方々とも、消防団活動を通じて広く交流することができる。親睦を深めるための飲み会は、いつも賑やかな雰囲気で盛り上がり、団員同士の絆を強める時間となっているそうだ。
こうして、団員同士の信頼と協力を深めながら、地域の安全を守るために活動する消防団。「年々団員が減少していますが、有事の際は一人でも多くの消防団員が必要になります。私自身消防団員としては未熟者ですが、これからの愛別町の安全のために一緒に消防団として活動しましょう。」と消防団の必要性について莖津さんは力強く語ってくれた。
◇愛別消防団の主な活動
災害発生時には現場での消火活動をはじめ、救助や救出活動など様々な現場で活躍する消防団。日頃から災害に向けた訓練の実施や防火、防災に向けた広報活動など、地域に密着した活動を行っています。
1月:出初式
4月:春季防火訪問
6月:夏季訓練
6月下旬~7月上旬:愛別消防演習、大雪分会大会
10月:秋季防火訪問
10月:愛別消防団火災防ぎょ訓練
◇町のために自分ができることを
莖津さんは消防団だけでなく、『あいべつきのこの里フェスティバル』の実行委員会や野球少年団のコーチなど様々な場面で積極的に地域活動に参加されている。「私は愛別町の出身ではないので、少しでも顔を覚えてもらって町のために力を貸せたらと思い、参加できるものには積極的に参加するようにしています。実行委員会では、共に活動する実行委員とフェスティバルの成功に向けて力を合わせていけることにとてもやりがいを感じていますし、野球少年団は自分自身小さい頃から野球をやっていたこともあり、息子が少年団に入団したタイミングで一緒に参加させていただくようになりました。勝利に向かって頑張っている少年団の子どもたちを見ているとこちらが元気づけられ、コーチというほどではありませんが、これからもできる限りサポートしていこうと思っています。」と地域への思いを話してくれた。
莖津さんの地域への思いと行動は、愛別町の活気あるまちづくりへとつながっていく。
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