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日高山脈襟裳十勝国立公園誕生

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北海道新ひだか町

令和6年6月25日、国内35か所目の国立公園として「日高山脈襟裳十勝国立公園」が誕生しました。
この国立公園の前身となる「日高山脈襟裳国定公園」は、日高山脈中腹あたりまでのエリア103,447ヘクタールが指定されていましたが、今回はさらに山脈の麓まで公園のエリアが広げられ、国定公園の2倍以上の面積となる252,177ヘクタールが国立公園として指定され、そのうち陸域面積は245,668ヘクタールと国内最大の国立公園となりました。
国立公園の指定にあたっては、地殻変動を受けて形成された山脈が内陸部から海まで連なっている雄大さや、山脈が原生性を有する自然状態のまま国内最大規模のまとまりを持って存在する点などが評価されました。

◆国立公園指定エリア
※令和6年5月22日中央環境審議会自然環境部会(第49回)資料より抜粋
※地図は広報紙2ページをご覧ください。

▽公園区域
日高山脈一帯、アポイ岳周辺、豊似湖周辺、襟裳岬やその周辺海域など
面積:252,177ha
(陸域)245,668ha(海域)6,510ha

▽関係市町村
帯広市、日高町、平取町、新冠町、浦河町、様似町、えりも町、新ひだか町、清水町、芽室町、中札内村、大樹町、広尾町

日高山脈の麓に広がる新ひだか町。今回の指定により、町の約34.8%が国立公園となりました。
新ひだか町面積:114,755ha
うち国立公園区域:39,947ha

◆校歌に見る日高山脈
日高山脈は、深く険しい山々が広がり、新ひだか町からは気軽に立ち入れる場所ではありませんが、その雄大な姿は、たびたび校歌の歌詞として登場し、見上げる先、羽ばたく先、すくすくと育つ様子など、地域の子どもたちの「未来」や「希望」に例えられてきました。

遠く連なる 山脈に
明日の望み 輝けば
(高静小学校校歌より)

すみきった ふるさとの空で
ヒダカの山のように
すくすくそだとう
(旧山手小学校校歌より)

山脈遠き 夕空に
光さやけし 北斗星
(旧東静内小学校校歌より)

ペテカリの 嶺のかがやき
みがきあう 友のやさしさ
(旧桜丘小学校校歌より)

たてがみの そよぐ川辺の 牧草の里
瞳やさしく 日高嶺 のぞむ
たどり行く 峰は幾重に 続くとも
君が羽ばたく 空はきっとある
(三石中学校校歌より)

山なみの つばさひろげ
太陽めがけ のぼっていく
ペテガリ岳は 鳥なのか
とべ わたしたち
すこやかな 風まいて
(静内第三中学校校歌より

◆史料に見る日高山脈
日高山脈同様、たびたび校歌に「シベチャリ川」として登場する静内川。その豊かな流れに惹かれた江戸時代末の幕臣である山内作左衛門(やまのうちさくざえもん)が、文久3年(1863年)に水源を目指して静内奥地を探検した記録が『染退水源之記(しべちゃりすいげんのき)』として残されています。
この記録には、山々が連なる様子やその険しさ、風景の素晴らしさが約1,300文字の漢文体で綴られており、現物は新ひだか町博物館の常設展示で見ることができます。

博物館では、日高山脈の麓に広がる新ひだか町の様子が分かる縦182cm×横358cmの鳥瞰図(ちょうかんず)「空から見た新ひだか町」と併せて、『染退水源之記』の版木を見ることができます。博物館長在館時は、面白い解説と一緒に展示をお楽しみいただけますので、ぜひお声がけください。

『染退水源之記』の拓本。博物館には、カツラの木の板に彫字された版木が展示されています。
※写真は広報紙3ページをご覧ください。

【博物館】静内山手町3-1-1
【電話】42-0394

◆国立公園豆知識
▽国立公園とは?
国立公園は、日本を代表するすぐれた自然の風景地として、自然公園法に基づいて国が指定・直接管理する自然公園です。
国立公園指定後は、自然環境を保護するために開発などを制限するほか、風景の観賞など自然に親しむ利用がしやすいように、必要な情報の提供や利用施設の整備が進められます。

▽日高山脈襟裳十勝国立公園の特徴は?
日高山脈は、大陸プレート同士の衝突により隆起して形成された山脈で、幾重にもなる地層の浅い部分から深い部分までが並んで地表に現れており、地球内部の様子をうかがうことができる貴重な地形となっています。
また、動植物についても、この特異な地質に対応した固有種や希少種が多く確認されています。

《日本の国立公園面積ランキング(陸域のみ)》
1.日高山脈襟裳十勝国立公園(北海道)245,668ha
2.大雪山国立公園(北海道)226,764ha
3.磐梯(ばんだい)朝日国立公園(山形県・福島県・新潟県)186,375ha
4.中部山岳国立公園(新潟県・富山県・長野県・岐阜県)174,323ha
5.上信越高原国立公園(群馬県・新潟県・長野県)148,194ha
全国35か所の国立公園のうち、7か所が道内にあり、その面積の合計は、日本の国立公園の総面積の30%以上になります。

◆「遥かなる山」ペテガリ岳環境整備ボランティア活動
▽遥かなる山 ペテガリ岳
日高山脈の最深部に位置し「遥かなる山」と言われ、登山者から注目されるペテガリ岳。しかし、新ひだか町からペテガリ岳に至るルートである道道静内中札内線が長期にわたり通行止めとなっており、登山者は、浦河町荻伏からペテカリ山荘に至る経路で入山する最短2泊3日のコースをとらざるを得ない状況です。
それでもなお、ペテガリ岳の人気は衰えることなく、年間500人以上がペテカリ山荘を拠点として頂上を目指しています。

▽ペテガリ岳環境整備ボランティア活動
ペテカリ山荘やペテガリ岳登山道は、これまで地元静内山岳会の協力のもと維持整備されてきました。しかし、会員の高齢化や減少などの課題に直面しており、日高山脈の国立公園化で登山者の増加が見込まれる中、現在の体制で登山道整備などを継続することが難しい状況となっています。
これを受け町では、令和4年度から「ペテガリ岳環境整備ボランティア活動推進事業」を開始し、静内山岳会や環境省のほか、登山経験のあるボランティアの協力を得ながら、登山道の整備・点検、山荘の清掃・維持修繕などを実施しています。今後は、このボランティア活動を継続しながら、日高山脈やその周辺の豊かな自然環境を生かした「体験・滞在型観光」などを推進していきます。

▽ボランティア活動の様子
・山荘の清掃・維持修繕・薪割り作業
・ササ刈りなどによる登山道の整備・点検
※写真は広報紙4ページをご覧ください。

静内山岳会の活動やペテガリ岳へのルートは、広報新ひだか2022年8月号「今月のいいねNo.36」で紹介しています。

町公式ホームページ「今月のいいね」はこちらから→
※二次元コードは広報紙4ページをご覧ください。

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