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自治体の皆さまへ

青少年健全育成町民会議 研修会を開催

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北海道新十津川町

11月13日、研修会を開催しました。今年度の研修会は、理事のみではなく、全町民および町内の各教育機関の保護者にも呼び掛けて実施し、当日は40人の方が参加しました。
ここでは講演の概要をご紹介します。

講演:「“わたし”が“和足し”を育てる町」~共生社会を生きる子ども達を育てる私たち~
講師:美瑛町教育委員会 管理課 参事 目良久美氏

■自己紹介
私は博多の出身で、福岡県内で小学校の教員をしていたが、道内に住む友人の勧めで北海道の教員採用試験を受験し教員となった。初任地は白糠町でその後、美瑛町でことばの教室やそだちの教室での勤務を経て、現在、美瑛町教育委員会で地域支援コーディネーターを務めている。

■講話概要
(1)特殊教育から特別支援教育
通常の学級と特別支援学級の違いは、特別支援学級には「自立活動」という教科が具体的にあることである。「自立活動」の目標は6区分27項目あり、社会によりよく適応していくための資質を伸ばすことを学ぶ授業である。

(2)北海道美瑛高等学校での取り組み
平成20年から15回、高校3年生に向けて「育てられる私から育てる私へ~すてきな大人になるために~」と題して、特別授業を続けている。多様化した現代、「あなたは、あなたです。人は誰も違っていいんだよ」と言った内容を話すと、悩みを打ち明ける生徒もいた。

(3)心理的な要因による悩み
今を生きる子どもたちの悩みはさまざまで、気持ちを話すことのできる子はまだ良いが、人に話すことが難しい子は親も困っている。コロナ前と後では子どもの発達に1~1.5歳の遅れがあると某大学の研究で示された。また、子ども家庭庁の「はじめの100カ月の育ちビジョン」が昨年12月に提唱され、5歳児健診の必然性が上げられている。自分の気持ちを表現できる子どもを育てるために自治体として、子どもの発達を保障するためにも健診を検討していかなくてはならない時代になった。

(4)美瑛町の取り組み~予防教育~
美瑛町教育委員会では、「すべての子どもをすべての大人で」を合言葉に、予防教育を取り組んでいる。美瑛町の子育て支援体制は妊娠中(-1歳)から18歳までで、母子手帳の拡大版「すとりーむ」(美瑛町子育てファイル)に記録することである。これは美瑛町で育ち、就学し、就労するまで一貫して活用できるように作成されている。美瑛町ではすべての子どもにあったオーダーメイドの教育を目指し、医学的診断も取り入れてインクルーシブ(障がいの有無や性別など関係なく互いを認める)教育システムを構築している。支援者が「一緒に子どもを育てる」姿勢で保護者に寄り添ったことにより、信頼関係ができ、医療につながったケースがある。それは「すとりーむ」に経過を記録し、それぞれの機関がつながり支えたからである。

(5)終わりに
“わたし”は一人だけど、隣にいる“わたし”を見つけると“和”が生まれる。その“和”を足し合えば、そこに「絆」ができ、「助けて」と言える場になる。ぜひ大人が生きてきた経験をそれぞれの言葉で、“和足し”が想うビジョンを子どもたちに伝えてほしい。その言葉は、必ず子どもに伝わる。私たちは、子どもが自分らしく生きていける社会をつくっていきたいと思い、日々取り組んでいる。

問合せ:教育委員会社会教育グループ
【電話】76-4233

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