心房細動は、加齢とともに起こりやすくなり、高齢者によくみられます。約半数の方が無症状という報告もあることから、自覚症状のない心房細動を早期に発見するために、まずは、自分の脈を確認してみましょう。
■心房細動とは
心臓は、握りこぶしくらいの大きさで、4つの部屋に分かれています。上の2つの部屋を心房、下の2つを心室と言います。規則的な電気信号により、1分間に60~100回程度、心房と心室を一定のリズムで収縮させながら全身に血液を送っています。
心房細動は、電気信号が乱れることにより、心房が小刻みに、不規則に震えている状態です。
心房がけいれんするように震えるため、血液を十分に送り出せなくなります。また、動悸、めまい、息切れ、疲れやすさなどの症状が現れます。
しかし、症状がない場合もあるため、長い間、心房細動に気付かずに過ごしていることがあります。
■心房細動が原因の病気
心房細動を長期間放置すると、心臓の中の血液が滞るため、血の塊(血栓)ができやすくなります。この血栓が、血流に乗って脳に流れていくと、脳の血管を詰まらせ、脳梗塞を発症します。
また、脈拍数が増加した状態が続くと、心臓を収縮する力が低下するため、全身に十分な血液を送り出すことができなくなる心不全を引き起こします。
■脈を確認する方法
脈を確認することで、心臓のリズムの乱れが分かります。
(1)手首を内側に少し曲げ、しわの位置を確認します。
(2)手首の親指の付け根当たりのしわの位置に、人差し指、中指、薬指の3本を当てます。
(3)15秒程、脈の速さとリズムが規則的か確認します。
1分間の脈拍数は、15秒間の測定数を4倍し計算します。
(4)脈拍が不規則な場合は、さらに1~2分程度、測定を続けます。
自覚症状がある場合、また、自覚症状がなくても、脈拍数が1分間に100回以上の時や脈のリズムが不規則な場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
心房細動は、早期発見と早期治療が大切です。1日に1回は、自分の脈を測る「検脈」を行い、習慣にしていきましょう。
担当:保健福祉課
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