令和6年度予算が3月の定例町議会で可決され正式に決定しました。
予算のポイントや重点事業などをお伝えします。
◆令和6年度予算のポイント
▽予算規模は過去最大を更新
一般会計の予算額は116億5,100万円となりました。当初予算額が100億円を超えるのは初めてとなります。
▽公共施設建設費は、前年度の2.4倍
新しい役場庁舎が完成するほか、駅前周辺再整備、サホロクリニックの建設が本格的に着工することが、主な増加要因となっております。
町全体の公共施設建設工事費は57億3,700万円です。
▽優先的に取り組む3つの施策
(1)ゼロカーボンシティ実現への取り組み
(2)駅前周辺再整備、スマートIC・道の駅整備推進
(3)町民の利便性やサービスの充実に資するデジタル技術の活用推進
▽まちの変化を進化に変えていく
本町はインフラ整備を中心に変化のタイミングを迎えています。
まちの「変化」を「進化」に変えていくため、時代の変化を的確に捉え、継続事業であっても前例踏襲の発想に陥ることなく、まちも人も常に進化・成長し続けるために、最大限の効果を追及していきます。
◆当初予算額の比較
◆予算が増えた主な要因
重点政策の実現に向けた大型事業の建設工事が重なるため
・役場庁舎建設…20.4億円
・ごみ処理中継施設建設…2.5億円
・駅前周辺再整備…14.3億円
・スマートIC・道の駅整備(ICはインターチェンジの略)…0.9億円
・サホロクリニック建設…11.7億円
◆一般会計 当初予算の推移
◆歳入・歳出から見るポイント
( )内は前年度比
▽歳入の主なもの
【町税】10.3億円(+0.2億円)
町民税の収入減少が見込まれる一方で、令和5年度実績ベースにより固定資産税の増加が見込まれるため、全体では微増です。
【繰入金】16.0億円(+10.1億円)
サホロクリニック建設工事により、積み立てている基金(貯金)を、一部取り崩して使います。
【地方交付税】36.3億円(+0.3億円)
国の財政計画の伸び率などを踏まえた増加です。
・普通交付税 33.8億円(+0.3億円)
・特別交付税 2.5億円(増減無し)
【町債(借金)】30.3億円(+20.1億円)
役場庁舎建設事業費に17.2億円を充てます。
町債には資金調達のほか、将来に渡って使用する公共施設の建設費を「『借金の返済』という形で、将来の世代にも公平に負担してもらう」という側面もあります。
▽歳出の主なもの
【総務費】47.9億円(+24.2億円)
新庁舎建設、駅前周辺再整備関連経費、スマートIC・道の駅整備関連経費など、大型事業の建設工事が重なるため増加しています。
【衛生費】18.1億円(+11.3億円)
サホロクリニックの建設工事に着手するため増加しています。
【土木費】9.0億円(+0.8億円)
駅前広場の再整備関連経費や住宅建設促進事業費などにより増加しています。
【教育費】9.0億円(+0.7億円)
公民館と図書館のエアコン整備などにより増加しています。
【公債費】9.4億円(-1.0億円)
町債発行額の抑制や、繰り上げ償還など計画的な財政運営により返済額が減少しています。
◆基金残高と町債残高から見る新得町
・基金…特定の目的のために資金を積立てる町の「貯金」のことです。
・町債…公共事業により多額の費用が必要となる場合、国などから借り入れる町の「借金」のことです。
○健全な財政運営を目指して
新得町は人口減少を見据えた行政運営を進め、町民の将来負担「0」の追求を続けてきました。
下記表1)を見ると、浜田町長就任時の平成17年に約88億円あった町債は、令和5年度見込みで約64億円まで減っており、基金は約56億円から約77億円まで増しています。
令和6年度以降、大型事業が相次ぐため、町債残高が基金残高を上回りますが、下記表2)の本町と十勝管内自治体を比較すると、大型事業が重なる現在でも、一定程度のバランスを保っていることが分かります。
本町は健全な財政運営を続けていますが、人口減少や公共施設の老朽化、交付税等の依存財源に頼っており、楽観視はできない状況にあります。
本年度は、「変化」を「進化」に変えていくという認識の上、予算編成を行いました。今後も継続事業の見直しや、公共施設のマネジメントの推進などに取り組んでいきます。町民の皆さまのご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
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