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自治体の皆さまへ

動物園からの手紙【397通目】

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北海道旭川市

■隣り合うヒグマとヒトの生活圏
例年6月は暑くなる印象ですが今年はそうでもありません。本格的な夏に備えて体を暑さに順化させる時期ですが、25度で暑い暑い!と感じてしまいます。
今年も旭山にヒグマが出没しています。この時期になると特に若いオスグマが自分の生活圏を見つけようと活発に移動します。旭山でも、かなり前からその過程の中でたまたま目撃される、いわば通りすがりの一見(いちげん)さんグマはいたのですが、近年は旭山周辺を生活圏にしていると思われる、長期滞在居座り型のクマが現れるようになりました。ただ、食べ残しのごみや空き缶を探し求めたり、平然と姿を現したりといった行動はしていないので、すぐさま駆除しなければいけない危険なクマではありません。今のところ目的は緑豊かな旭山なのでしょう。
とはいえ気になる点もあります。それは活動時間帯です。ヒグマは本来夜行性ではないのですが、慎重で臆病な性格なので、ヒトの生活圏近くではヒトが活動する時間帯を避けて行動します。目撃情報が日没後や早朝なのはそのためです。ところが近年、日中の時間帯に姿が確認されています。場所は昔の旭山スキー場の中腹くらいです。ヒグマからは駐車場の車やヒトが見えていたでしょう。今日も閉園時に流れる「蛍の光」に何の警戒心も持たず、聞いているかもしれません。活動時間帯がヒトと重なると、不意に出合ってしまう確率が格段に上がります。
ヒトが優先的に占有しているつもりの土地を海に例えるなら、旭山は大雪山から続く岬の先端のような場所です。旭山はヒト優先の場所なので、ヒグマにとって長く滞在するには居心地が悪いと感じる場所にしなければいけないでしょう。さて、どうするか…。
生存競争は生活圏の確保が鍵です。自然を象徴するヒグマの勢いに、ヒトが圧倒され始めているとも言えます。ヒグマとの問題は、ヒトの勢いの衰退の必然なのかもしれません。

■旭山ピックアップ
▽動物画コンクール作品募集
旭山動物園の動物や風景をテーマにした作品を募集します。
募集期間:
・幼児・小学生…8/25(金)まで
・中学~大学生(短大・専門学校生を含む)…8/1(火)~10/15(日)
※詳細は同園HPに掲載。

■夜の動物園
8/10(木)~16(水)の開園時間を21:00まで延長。普段は見られない夜の動物たちの姿を観察することができます。

■夏期開園日・時間
・10/15(日)まで 9:30~17:15
・10/16(月)~11/3(金) 9:30~16:30
※期間中は無休。いずれも入園は16:00まで。

■旭山動物園をもっと楽しむ
園内イベント詳細は決まり次第、同園HPに掲載

詳細:旭山動物園(東旭川町倉沼)
【電話】36-1104

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