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自治体の皆さまへ

動物園からの手紙【398通目】

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北海道旭川市

■二十数年ぶりにヒグマを保護
先月、旭山でのヒグマ出没のことを書きましたが、今度はヒグマの子が保護されて来ました。動物園としては、北海道産野生動物の傷病個体の受入れです。
ヒグマでは、とんこ以来二十数年ぶりです。今回は保護した行政機関からの受入れ可否の問い合わせでした。どの種でも、受入れの可否は、受け入れられる収容スペースがあること、さらに授乳期の哺乳類を保護した場合は、成長してから自然に帰すことがほぼ不可能なので、終生飼育が可能かどうかも慎重に判断します。
えぞひぐま館は寝室が2か所、産室付きの寝室1か所の計3部屋があります。放飼場は、繁殖した際に子グマが産室から出てきて屋外に慣れるまでの小さな半屋外放飼場と、室内と屋外の放飼場を備えています。今回は動物園として受入れが可能なので、行政機関へ改めてどのように扱うのか慎重に判断してくださいと伝え、その結果、旭山動物園で子グマを受け入れることになりました。
ヒグマは加速度的にヒトとの軋轢(あつれき)が問題となっており、駆除に関する考え方も様々あると思います。現在、行政としての駆除対象のヒグマは、ヒトの生命の安全を脅かす場合と農業被害をもたらす場合で、あくまでも個体ごとに判断する方針です。「問題グマと、そうではないクマを区別する」と言えば分かりやすいでしょうか。
今回は、公園に子グマが出没したため公園の一部を封鎖したところ、親グマが姿を現すことなく、毎日子グマだけが現れ、日ごとに衰弱して保護されたとのことでした。何らかの原因で親とはぐれてしまったと判断。駆除対象ではありませんが、短期間で体力をつけさせて山に放すことは、市民感情も含め現実的ではなく、行き場のない状態となってしまったことが受入れの経過です。子グマは、まさに北海道の自然を象徴する大地の子そのものです。私たちは、ヒグマとどのように折り合いをつけていくのでしょうか?
受け入れた子グマは元気に過ごしています

■旭山ピックアップ
▽あにまるハッピーマーケット
「循環」をキーワードに、自然や野生動物から資源を奪い続けるのではなく、ありがとうの気持ちを返していく「野生動物との共存」につながるマーケットです。
日時:9/17(日)・18(月)9:30~17:15
※詳細は決まり次第、同園HPに掲載。

■おじいちゃん・おばあちゃんと夜の動物園に行こう
祖父母と孫、または親子3世代以上のペア100組を対象に、夜の動物園を開放。動物たちの夜の姿が観察できます(申込みは同園HPから)。
日時:9/17(日)17:45~19:30

■夏期開園日・時間
・10/15(日)まで9:30~17:15
・10/16(月)~11/3(金)9:30~16:30
※期間中は無休。いずれも入園は16:00まで。最新情報は同園HPなどで確認を。

詳細:旭山動物園(東旭川町倉沼)
【電話】36-1104

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