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自治体の皆さまへ

動物園からの手紙【405通目】

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北海道旭川市

■世代のバトンタッチ
異常高温の日が続き、驚くほど雪解けが進んでいます。毎年観測史を塗り替える気候の異変が起こりますが、それが当たり前になってきました。慣れていいことでは決してないのですが…。
繁殖のため、札幌市円山動物園に移っていたホッキョクグマのホクトが戻ってきました。ピリカとの繁殖のためです。ホクトが旭山動物園に到着し、麻酔をかけていた同時刻に、オランウータンのジャックが死亡しました。
ジャックは42歳。高齢でしたが老齢とはいえない年齢でした。昨年の暮れから尿路結石を患い、回復したものの、その後すぐに動きが緩慢になり、力が入らない状態になりました。意識ははっきりしていて食欲もありました。検査結果や症状から心臓系の疾患と推察し、投薬治療を行い安静に努めていましたが、状態が急変し死亡となりました。ジャックは「おらんうーたん館」がオープンした翌年の平成14年にリアンのペアとなるため、広島市安佐動物公園から来園。当時は、ほっぺたのフランジ(社会的に優位なオス1頭のみに現れる)がある成獣との新たなペアリングは行わないのが通例でした。オスとメスの体格差が著しく、オスの感情次第でメスが死亡してしまう危険があるからです。他園からは「ジャックとのペアリングは、やめた方が良いのでは」と言われましたが、見事に成功し、リアンとの間に子をもうけることができました。おらんうーたん館は、まさにこのことを目指して建てた施設です。ジャックとリアンのつながりで、ボルネオでの恩返しプロジェクトが生まれ、ボルネオゾウの一時避難施設の建設にもつながりました。これまではジャックの存在があることで、息子モリトのフランジは大きくなりませんでしたが、ジャックがいなくなり、モリトのフランジは見る見る大きくなると思われます。世代のバトンタッチです。
今年もたくさんの命の歴史が生まれ、未来へと続いていきます。

■旭山ピックアップ
▽チンパンジーの子は元気に成長しています
昨年8月に生まれたチンパンジーの子、笑蓮(エレン)は、母親フルトのそばで、すくすくと成長しています。笑蓮は、笑顔で成長することを願い、ハスの花に清らかに見守られるという意味で名付けられました。ぜひ、会いに来てください。(群れでの交代展示のため、見学できない日もあります)

■冬期開園日・時間
・4/7(日)まで 10:30~15:30(入園は15:00まで)
・4/8(月)~26(金)は休園。夏期開園は4/27(土)から
※最新情報は同園HPなどで確認を。

■旭山動物園をもっと楽しむ
▽園内イベント
詳細は決まり次第、同園HPに掲載

詳細:旭山動物園(東旭川町倉沼)
【電話】36-1104

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