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《特集》札幌発 新しい発想で世の中を変える「スタートアップ」(2)

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北海道札幌市

■「スタートアップ」は私たちの身近な課題の解決に取り組んでいます

▽1日で生ごみを堆肥に分解
株式会社komham(コムハム)代表取締役
西山(にしやま)すのさん
微生物群「コムハム」を活用し、独自に開発した生ごみ処理技術を提供する。電源や排水処理を必要とせず、ソーラー発電により自動でかき混ぜることができる独立型の生ごみ処理機「スマートコンポスト」を開発した

私は、父が開発した、有機物を高速で分解する微生物群「コムハム」を継承し、あえて同族企業という形態を取らずに、0から1を作ること、早いスピード感が求められるスタートアップとして2020年に創業しました。
水分を多く含む生ごみは、燃やすと多くの二酸化炭素が発生しますし、通常のコンポストではかき混ぜる作業が手間だったり、堆肥となるまでに時間がかかって悪臭が発生したりする場合もあるなど、食品を扱う工場などで、処理に大きな課題が生じているんです。
独自に開発した「スマートコンポスト」では、わずか1日で98%の生ごみを分解処理することができ、それらの課題を解決できます。
働くなら、自分のためだけではなく、社会のために働きたいと常々思っています。環境問題に取り組むとともに、手間のかかるものや淘汰(とうた)されてしまうことを新たな技術や発想によって使い続けられるようにし、今ある文化や技術を次の世代につなげていきたいです。

・株式会社komhamのオフィスがある施設
「札幌市エレクトロニクスセンター」
IT・バイオ関連企業の研究開発や人材育成を支援。市の公共施設であり、貸会議室やレンタルオフィスなども備えています。
住所:厚別区下野幌テクノパーク1

詳細:エレクトロニクスセンター
【電話】807-6000

▽未来の食料不足の危機に立ち向かう
Floatmeal(フロートミール)株式会社CEO
北村(きたむら)もあなさん
たんぱく質を豊富に含み、水質を改善する高い効果を持つ、ウォルフィア(Wolffia)という浮草(ウキクサ)を効率的に栽培する技術で、「食」「環境」の課題解決に挑む。現在、北海道大学大学院水産科学院に在学しており、大学で出会った仲間と本年5月に創業した

私は、地球温暖化や将来的な食料不足の解決のために何か行動しなければという思いがずっとありました。大学2年生の時に、ウキクサの研究をしていたバングラデシュ出身のサジャッドさんと学内で出会い、二酸化炭素を吸収するほか、たんぱく質を豊富に含むウキクサに興味を持ちました。しかも、1日で量は約2倍に増えるんです。効率的に増やすことができれば、持続可能な社会の実現につながると思い、2人で共同出資して会社を設立し、現在は3人で事業化を目指しています。
ウキクサは生でも食べられますし、乾燥させてパウダー状にもできるので、加工品としても活用が可能。飼料にもなります。環境に優しい次世代の食資源として、多くの人にウキクサを知ってもらい、栄養源の一つとして選んでもらえる商品を開発し、海外への進出も視野に入れて、新たな価値を世界に投じていきたいです。

・Floatmeal株式会社のオフィスがある施設
「札幌市産業振興センター」
ビジネスに挑戦する企業や個人を支援する市の公共施設であり、コワーキングスペースや貸会議室などを備えています。センター内にあるレンタルオフィス「Sapporo Business VILLAGE」では、インキュベーションマネージャーが常駐し、経営相談・情報提供など多方面から支援しています。
住所:白石区東札幌5の1

詳細:産業振興センター
【電話】817-8911

■地域企業が成長を支援 新たなビジネスが生まれる環境づくり
市内では、札幌・北海道が抱える課題の解決に向け、民間企業が主導で交流・ビジネスの創出を支援する取り組みも加速。場所の提供のみならず、ヒトやモノ、コトをつなぎ、新たな事業が生まれる環境をつくろうとする施設を運営する方にお話を聞きました。

▽企業が創る地域の未来
サツドラホールディングス株式会社
代表取締役社長CEO
富山浩樹(とみやまひろき)さん
2007年に株式会社サッポロドラッグストアーに入社し、2015年5月に代表取締役社長に就任。2016年8月にはサツドラホールディングス株式会社を設立し代表取締役社長に就任。2023年9月15日現在、サツドラは調剤薬局などを含め202店舗、北海道共通ポイントカード「EZOCA(エゾカ)」は約213万枚を発行

人口減少・少子高齢化などさまざまな課題を抱える札幌・北海道。
この地を基点にビジネスを展開する私たちは、地域課題の解決に向け、地域をより魅力的な場へと発展させていくことが重要だと考えています。そこで「地域に関わるあらゆるヒト、モノ、コトをつなぎ、未来を豊かにする地域コネクティッドビジネス」を展開するため、未来への思いを持った人が交流・協業できる「EZOHUB SAPPORO(エゾハブサッポロ)」を2020年9月にスタートさせました。
札幌が未来に進むためには、テクノロジーやアイデアで、多様なチャレンジができる環境づくりが重要です。札幌がスタートアップに最適な街となり、チャレンジするなら札幌・北海道と言ってもらえるように、企業や行政、学校などの既存の枠を超え、スタートアップの支援をしていきたいと思っています。
そして、私たちサツドラグループが持つ店舗や共通ポイントカード「EZOCA」といった資源を生かして、北海道で新たな事業モデルの構築を進め、日本、そして世界へと、スタートアップと共に未来を創っていきたいと思います。

・EZOHUB SAPPORO
会員制のコワーキングスペースであり、1人での作業やWEB(ウェブ)会議、打ち合わせなど、用途に合わせた使用が可能。約3,500冊の本を取りそろえているほか、定期的にイベントが開催されるなど、出会いと知の集積の場となっている

詳細:イノベーション推進課
【電話】211-2379

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