■認知症の方と家族を支える
●地域包括支援センターの職員に聞きました
白石区第3地域包括支援センター保健師・介護支援専門員
安達美幸(あだちみゆき)氏
・地域包括支援センターとは?
認知症をはじめ、日常生活の支援が必要と思われる高齢の方や家族、地域の方からの相談などに応じます。
▽地域全体で本人や家族を支える
「認知症かな?」と思ったり、認知症と診断されたりしても、なかなか他の人に相談できなかったり、家族だけで支えるものだという責任感から、悩みを抱え込んでしまったりする方もいるかもしれません。ただ、認知症は、私も含めて誰もがなり得る身近な病気。だからこそ、地域全体で正しく理解し、支え合うことが大切だと思います。介護保険サービスや地域での集いなど、地域で支えるためのさまざまな支援を紹介できるので、困り事や悩みがあったら、まずは相談していただきたいです。
▽もしも忘れてしまっても私が覚えています
私が認知症の方を支えていて感じるのは、認知症になっても「その方らしさ」は残り続けるということ。ただ、忘れてしまうのが不安な方には、「もしもあなたが忘れてしまっても、私が覚えています」と声をかけていますよ。認知症と診断されたら、ご本人もご家族もすぐに受け入れるのが難しい場合も多いです。でも、できない事は周りに協力してもらい、できる事を生かして暮らしながら、その方らしさを大切にして、ゆっくりと受け入れていければ良いと思っています。私も「チームオレンジ」(後段で説明)の一員として、ご本人やご家族を支え、温かく見守る地域づくりに貢献したいです。
●困っているのかな?と思う方を見かけたら
さりげなく優しく声をかけ、場合によっては近くの交番や地域包括支援センターに連絡するなど、周りと協力して対応することが大切です。
▽声かけの主なポイント
・後ろから声をかけない
・優しい口調で話し、相手を否定しない
●始まっています。地域全体で支える「チームオレンジ」
地域包括支援センターの職員である「オレンジコーディネーター」が、認知症の方や家族と、その支援者である「オレンジサポーター」をつなぎます。これまでに、認知症の方とサポーターが、一緒に外出したり、趣味を楽しんだりしました。
※中央、東、白石、厚別、手稲区で試行的に実施
・認知症の方・家族
(例)「行ってみたいイベントがある」
・オレンジサポーター
(例)「外出を支援したい」
・オレンジコーディネーター
認知症の方や家族の希望とサポーターの活動内容を聞き、双方をつなぐ
・オレンジサポーターになるには
認知症サポーター養成講座※1を受講した後に、ステップアップ講座※2を受講するとなることができます。
※1 毎月開催。2月の講座の詳細は本紙18ページ
※2 詳細はお住まいの区の地域包括支援センターへ
●集まって話せる「認知症カフェ」
認知症の方や家族、認知症に関心のある方、福祉の専門職の方など、どなたでも参加できます。
▽こんな事ができます
・お茶を飲んで過ごす
・悩みを相談する
・症状について相談する
・カラオケや体操、ゲームをする
・健康に関する講座を受ける など
会場:市が認証したカフェは市内57カ所。詳細はホームページ、区役所(本紙1ページ)の保健福祉課でご確認を
※原則参加費が必要。会場によって内容や対象地域、定員などが異なる
※現在中止している会場もあるため、事前に会場に確認の上、ご参加を
●1人で悩まずにご相談を
「認知症かも」「家族の介護について相談したい」など、ささいな事でもご相談ください。
※いずれも祝・休日、12/29~1/3を除く
▽市認知症コールセンター
【電話】206-7837
相談時間:平日10~15時
▽地域包括支援センター・介護予防センター
所在地:ホームページ、市コールセンター(本紙1ページ)、区役所(本紙1ページ)の保健福祉課で、お住まいの住所を担当するセンターのご確認を
相談時間:原則平日8時45分~17時15分
▽区役所(本紙1ページ)の保健福祉課
相談時間:平日8時45分~17時15分
▽認知症疾患医療センター
電話で医療相談ができます。ただし、受診には、かかりつけ医や専門医からの紹介状が原則必要です。
・札幌医科大学附属病院(中央区南1西16)
医療相談【電話】611-3004(平日9~12時)
・北海道医療センター(西区山の手5の7)
医療相談【電話】611-8172(平日13~15時)
●「認知症の方にもやさしいお店・事業所」を募集
見やすい陳列や認知症の普及・啓発への協力など、認知症の方が安心して暮らせるように取り組むお店や事業所を登録します。
登録方法:12/2(月)からホームページで配布する申請書を、随時
●認知症ガイドブックを配布しています
認知症の方の経験や、受けられる支援などを紹介しています。
配布場所:ホームページ、区役所(本紙1ページ)、市役所3階介護保険課 など
●「認知症の日」にライトアップ
国で「認知症の日」と定めている9/21を中心に、認知症への関心と理解を深めるさまざまな取り組みを行っています。
9/21に、テレビ塔と時計台を、認知症の普及・啓発のシンボルカラーであるオレンジ色に照らしました
認知症になっても、すぐに何もできなくなるわけではありません。自分らしさを維持しながら、暮らしていくことも期待できます。認知症について正しく理解し、心構えをするとともに、自分事として考えていきませんか。
監修:札幌医科大学医学部 神経精神医学講座 主任教授、札幌医科大学附属病院 認知症疾患医療センター長 河西千秋(かわにしちあき)氏
詳細:介護保険課
【電話】211-2547
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