夢を後押しする環境づくりは、子どもたちがより良い未来へ進む一歩となります。今回の特集では、サッカー選手として国内外で活躍された小野伸二さんと秋元市長に、夢をかなえるために大切なことや子どもたちの未来などについて語り合っていただきました。
実施日:2024年9月1日
会場:北海道コンサドーレ札幌事務所(豊平区羊ケ丘1)
進行:真砂徳子(まさごのりこ)(フリーアナウンサー)
■夢を持ったきっかけ
小野:小学校低学年の時に、ワールドカップの試合で活躍するマラドーナ選手のプレーをテレビで見て、自分も見ている人をわくわくさせられる世界一の選手になりたいと思いました。その後、Jリーグが開幕した中学生の時に、はっきりとプロの選手になるという目標ができましたね。
市長:簡単な目標ではないので、実現されたのは本当にすごいことですね。小野さんのように、自分が見たことや体験したことが夢を持つきっかけとなる子どもたちは多いと思います。そのため、札幌でもスポーツや音楽など、さまざまな分野の最前線で活躍する方たちを間近で見たり、より近くに感じたりできる機会をつくってあげることが大切だと思っています。
小野:いろんなことに挑戦してみると、何が自分に合うのかが分かってくると思います。サッカーに限らず、まずは自分が楽しいと感じたものから夢や目標を見つけて、その夢を広げていってほしいですね。
■サッカーを通じて大切にしていたこと
小野:プロとして勝利に向かってプレーすることはもちろん、また観戦したいと思ってもらえるような、見ている人が想像できない楽しいプレーを心がけていました。また、こうやって僕が頑張ってこられたのは、周りの環境や支えてくれた人たちのおかげだと思っています。だからこそ、周囲への感謝の気持ちをいつも大切にしてきました。特に、母への感謝が年齢を重ねるごとに増しましたね。僕は10人きょうだいで、育てるためにいろんなことを犠牲にしてくれたのだろうなと。2023年に他界してしまったのですが、もっと長く親孝行したかったなという思いがありますね。
市長:日本だけではなく海外のリーグでも活躍されていたことは、きっとお母様も喜ばれていたと思います。私たちは、支えてくれる人がいるからこそ、さまざまなことに挑戦できます。その環境をつくってくれる人たちへの感謝の気持ちを忘れてはいけませんよね。
■外の世界を知る大切さ
市長:国内外のさまざまな場所で暮らしていた小野さんから見て、札幌の印象はどうですか。
小野:空気がきれいで、街の中に大通公園のような豊かな自然を感じられる場所があるのがすてきですよね。そして、ファミリー感と優しさにあふれた温かい人が多いのも札幌や北海道の良さだと思いますね。一方で、切磋琢磨(せっさたくま)できる環境がもう少しあると、より良くなるのかなとも思います。
市長:確かに道外から来た企業の方からも、東京などと比べると競争の場が少なくて現状に満足してしまうことがあると聞きました。自分を高めるためには、外の世界から刺激を受けることも大切ですよね。札幌市では、姉妹都市であるアメリカのポートランド市と高校生同士での交流などをしています。そのような海外の方との交流をはじめ、広い視野で物事を見る機会をもっと増やして、子どもたちには、自分のさらなる可能性を探ってほしいなと思いますね。
小野:僕も、小学生の時にサッカー少年団の活動で韓国でのホームステイや他県の人たちと交流した経験があります。そういった普段とは違う体験やさまざまな人との関わりが新たな発見につながり、視野を広げてくれましたね。
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