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ひがしかぐらの健康食育

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北海道東神楽町

■子どもの肥満
「肥満」は大人だけの病気ではなく、子どもも肥満になります。肥満から2型糖尿病を発症する子どもも増えているそうです。日本の子どもの2型糖尿病の発症については、その約70~80%が肥満を有していたと報告されています。

◆肥満になる3つの要因
肥満の発症には3つの要因が関与すると考えられています。
(1)遺伝:ヒトは文明化するまで飢餓にさらされていたので、脂肪を蓄え、エネルギー消費を抑えるのに適した遺伝子が保存された(倹約遺伝子)
(2)生活習慣:過食・高脂肪食・運動不足
(3)外部環境:車社会・効率重視の社会、室内・夜型生活、座ってする授業

◆現代の子どもの食環境「コケコッコ」と夜更かしの落とし穴
現代の子どもの食環境は、「孤食」の「コ」、朝食の「欠食」の「ケ」、いつも同じものを食べる「固食」の「コ」、「濃い」味を好む「コ」で「コケコ(ッ)コ」となっており、これらの要因が関連しあって肥満になりやすい状況を生み出しています。また、夜更かしの生活習慣は、翌朝起きられず、食欲がないために朝食を欠食し、その分夕飯を多く食べる悪循環を生みます。また、朝から元気がなく、運動不足を助長します。
さらに、成長を促進し、脂肪を分解する成長ホルモンは睡眠中に分泌量が増加するため、夜更かしをすると、分泌量が減少します。最近の研究で、睡眠不足が食欲を抑制するレプチンの低下と食欲を亢進させるグレリンの上昇をもたらすことが明らかになりました。

◆子どもの肥満が大人の肥満へ移行
幼児期前半(1歳~3歳頃)に1回以上過体重を指摘された子どもは、12歳の時点で過体重になるリスクが5倍になるという報告や、3歳でのテレビの視聴時間が長いことや睡眠時間の短いことが、7歳での肥満形成に結びついている報告もあります。
また、若年期から2型糖尿病のリスクが上昇したり、動脈硬化性変化が生じたりするなど、肥満予防において小児期は大変重要な時期です(図1)。
今回は、子どもの肥満についてのお話でしたが、どの年代でも遅くはありません。東神楽町では、乳幼児健診の他、小学5年生・中学2年生に学童健診(成人と同様項目の血液検査などを実施)、お勤め先などで血液検査の機会のない18歳以上の方に若年健診、特定健診、後期高齢者健診と健診の機会を多数設けています。計測結果や健診結果を基に、保健師・管理栄養士より、健康づくりに関するお手伝いをさせていただいておりますので、ぜひご活用ください。

参考文献:日本糖尿病協会発行月刊糖尿病ライフさかえ

◇図1 小児期肥満から成人期肥満への移行

教えてくれたのは…
健康ふくし課 保健指導係 主任保健師 近石麻未さん

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