◆北海道大学発のスタートアップ企業が東神楽町内で新たな特産品の開発を開始!
ゼロカーボンシティ実現するためには行政や家庭の取り組みだけではなく、民間企業の事業を通じた取り組みも重要になります。本号では、北大発のスタートアップ企業による地球温暖化や食料問題の解決を目指している事例を紹介します。
令和6年度から北大発のスタートアップ企業であるFlotmeal株式会社(フロートミール)が、エア・ウォーター株式会社が志比内地区で運営しているニジマス陸上養殖施設「杜(もり)のサーモンプラント・東神楽」で、ウキクサ(浮草)の生産実験を始めました。
ウキクサの一種である食用高タンパク植物ウォルフィアを東神楽町の新しい特産品として展開していくことを目指しています。ウォルフィアの特性や同社の持つ特殊な技術はさまざまな分野から高い注目を集めています。
◇世界の食料問題の解決策⁉ 浮草の特性と同社の特殊技術とは
ウォルフィアは北大初のスタートアップ企業である「Flotmeal株式会社」が研究するウキクサの一種であり、高たんぱく質で栄養価の高い農産物です。ウォルフィアのタンパク質は人が合成できない、9つの必須アミノ酸を全て含んでおり、その他にもオメガ3脂肪酸、植物性食品に稀なビタミンB12をはじめとする7種類のビタミン、12種類のミネラル、抗酸化物質などを含む栄養価が高い高付加価値な植物です。フレッシュのウォルフィアは、直径1mm未満の大きさで「シャキシャキ食感」があり、苦みや臭みがありません。乾燥・粉末化によるグリーンパウダーは抹茶のような香りがし、食品としての展開も汎用性があります。
また、増殖する特性からもたんぱく質1kg当たりの生産コストが他の農産物や食品と比べ極めて低く、技術が確立されれば、低コストで安定的に大量生産することが可能です。現在、低コストな大量生産技術を保有するのはFlotmealのみであり、大きな可能性を秘めています。
また、「杜のサーモンプラント・東神楽」で実施予定であるアクアポニックス(水耕栽培)とも親和性が高く、サーモン養殖の過程で発生する排水をウォルフィアの生産に活用することで、環境負荷を抑えることができると推察されています。
なお、ウォルフィアは1日で2倍になる繁殖力を持ち、世界で最も早く成長する植物と言われており、光合成によって大量の二酸化炭素を吸収するため、地球温暖化の解決にも期待が持てます。
まだ取り組みはスタートしたばかりですが、「産業振興」と「ゼロカーボンの実現」を同時に実現できる可能性にぜひ注目ください。
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