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マチの宝物

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北海道東神楽町

◆匠の技で挑んだ舞台、銀メダルに輝いた若き才能
町内の家具メーカー匠工芸に勤める髙橋渓純さんは、昨年11月22日から25日まで愛知県で開催された技能五輪全国大会の家具部門で見事銀メダルを獲得しました。入社2年目という若さで快挙を成し遂げた髙橋さん。その人柄と歩んできた道のりには、真摯に努力を重ねてきた姿がありました。
髙橋さんが木工の道を志したのは、中学校の頃。「手先が器用で、ものづくりが好きだった」という理由から、中学の担任に勧められたおといねっぷ美術工芸高校へ進学。木材と触れ合う中で楽しさを見出し、高校卒業後は岐阜県の木工芸術スクールで1年間学びました。そこでは手加工の技術を中心に習得し、「その経験が今の自分の技術の基盤になっている」と語ります。
初めて挑んだ2023年の技能五輪北海道大会では、背面加工を忘れるというミスが響き敗退。「自分なんてこんなもの」と冷静に受け止めつつも、どこか悔しさが残ったと言います。翌年、全国大会を目指し、再度、技能五輪北海道大会に挑戦。休日を返上して1日6時間以上練習に励む日々が始まりました。「努力は苦ではなく、楽しかった」と笑う髙橋さん。「北海道大会1位」と匠工芸の桑原会長から結果を知らされたときは、驚きが勝ったそうです。
全国大会では2日間、11時間をかけて家具を制作。途中、部材の取り付けを逆にしてしまうミスがあり、「終わった」と感じた瞬間もありましたが、修正してなんとか完成に漕ぎ着けました。その結果、銀メダルの発表で「北海道」と呼ばれた次に自身の名前が読み上げられると、驚きと喜びで「えー!」と叫んでしまったとか。会場にいた桑原会長や職場の人の喜ぶ姿を見て、達成感が一層深まったと言います。
今回の成果の裏には、髙橋さんを支えた多くの人々の存在があります。全国大会に向けた練習では、旭川市工芸センター職員の千葉さんが深夜まで作業手順を一緒に考えてくれたことが大きな助けになったそうです。また、勤務時間を練習に充てられるよう配慮した職場のサポートもあり、「戻ったときにみんなが喜んでくれたのが嬉しかった」と語りました。
髙橋さんは今回の経験を通じて、「やればできる」という自信を得たと言います。次回の技能五輪全国大会では金メダルを目指し、さらなる技術向上に挑むと力強く語りました。「会長から教えてもらった『一に確認、二に確認、三に確認』を徹底しながら、一歩一歩成長していきたい」。その目はすでに未来を見据えています。

◇プロフィール
髙橋渓純(たかはしけいじゅん)さん
2003年生まれ 21歳
株式会社匠工芸

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