町史資料調査室・研究員/青木隆夫
◆No.28 栗山の農村女性の声を載せた「つくし」
栗山の産業の柱は農業でありながら、農村社会での女性の声は限られたものでした。
今はそらち南農協と名が変わりましたが、栗山農協だった当時は、年に一回、農協婦人(女性)部の機関誌「つくし」が発行されていました。表紙には昭和43年の創刊以来、毎号同じ土筆(つくし)の絵が飾られ、編集の内容も「文芸誌であり、時代ゝを反映する農村婦人誌」と示されていました。
時々の農政のこと、その年の作況、日々の生活の様子、詩や短歌・俳句などを集め、まとめられたものです。この間、農協婦人部が女性部と名を変え、懸案だった由仁農協との合併もあって、平成18年に終刊を迎えています。発刊から38年間、一貫して栗山の農業を女性視線で声をくみ上げ、寄せたのが「つくし」でした。
後半の号から始まった「つぶやき」の欄にはSNSではないものの、本音がにじむ今のツイッター(現X)を先取りしたものでした。改めてそこに「時代ゝを反映」した、栗山の貴重な資料価値としての気づきがあったところです。終刊号の挨拶には「この『つくし』を自分史にしましょう」と、まとめられていました。
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※二次元コードは本紙P.4をご覧下さい。
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