町史資料調査室・研究員/青木隆夫
◆No.24 役場庁舎の奇妙な「丸い石」
役場庁舎横の芝の中に、「つるつるでまんまる」な大きな石のオブジェがあります。台座に設置の年や寄贈先の刻字はあるのですが、何かよく分からないものです。先日、偶然に古い『広報くりやま』記事の中で、ようやくその石の正体が分かりました。
この石は「飾玉石(かざりたまいし)」と紹介され、昭和38年に完成した役場庁舎の新築記念として、2年後の昭和40年、当時の日本電工株式会社から贈呈されたものでした。石材は山梨県の大菩薩峠から運ばれた「甲州みかげ石」で、大きさが直径5尺(約1・5m)のものです。制作者は小柳栄吉氏、山梨県の熟練の石工の方です。この石材の産地なども、当時の町内の地域新聞『大空知』に見つけました。形が球形となったのは、方形の庁舎に丸形の飾玉石はよく調和し、庁舎と共に住民のシンボルとして親しまれるようにという趣旨だったようです。庁舎内には、以前このコラムでも紹介した「親子の像」など、この新築の時に贈られたものが見られます。長年懸案だった、角田から栗山への役場庁舎移転時の期待と喜びの象徴が、この不思議なオブジェでした。
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