■石はどこから運ばれた?
鷲ノ木遺跡のストーンサークルは直径が約37mあり、北海道一の大きさとして知られています。3重の円には約600個の石が並べられており、ほとんどは角が取れて丸くなっているため川から石を運んできたものと考えられています。石の大きさは平均すると40cm前後になり、大きいものだと80cmを超えるものもあります。
これらの石がどこから運ばれてきたのかは明確には分かっていませんが、石の大きさや質感が近い石を多く確認することができるのは、鷲ノ木町を流れる桂川の河口です。遺跡からの距離は1kmほど離れていますが、この場所から石を運んできたと考えられています。どのようにして石を運んできたのかは証拠となるような痕跡が見つかっておらず分からないことも多いですが、縄文時代に車はありませんので人力で運んでいます。ストーンサークルは標高約70mの丘の上に造られており、石を運ぶだけでも山を登らなければならないので、その労力は相当なものであったことが想像できます。
来年度以降も遺跡見学会を開催する予定ですので、実際にストーンサークルをご覧いただき、縄文時代の人々の努力や思いをぜひ感じてみてください。
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