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文化財のひろば・シリーズ167

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北海道森町

■道行く人々の安全を願い
森町は古来より人々が行き交う土地であり、明治時代には札幌本道の中で森~室蘭間が唯一の海路として利用されたほか、現在でも国道5号や高速道路、鉄道なども通るこの町は北海道を往来するうえで交通の要衝となっています。
その歴史を伝える文化財が町内にはいくつも残されていますので、今回はそのうちの一つである三界萬霊塔をご紹介します。
三界萬霊塔が造られたのは今から160年以上前、文久3年(1863)のことです。森町は砂原には天文1年(1532)、鷲ノ木には慶長6年(1601)に本州から来た人々が村を作り寛政11年(1799)には江戸幕府の直轄地となります。箱館から人が来ることも増えたことから会所や宿場が設けられ、駒ヶ岳の麓は陸路として用いられていました。
三界萬霊塔はその道中に建立された石碑です。「三界」は仏教の言葉で過去・未来・現在を意味し「萬霊」は人や生き物全ての魂を表しています。二つの言葉を合わせて「ありとあらゆる全ての魂を供養する」という思いが込められていて、道を通る人々の安全を祈願するものです。
町内に現存する石碑の中でも古いもので交通史・宗教史上重要なものであるため昭和52年(1977)に町の有形文化財に指定されています。

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