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文化財のひろば・シリーズ173

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北海道森町

■縄文時代とヒグマ
ヒグマは体長2m近くまで育つこともある強靭な肉体をした動物です。鷲ノ木遺跡の周辺で目撃されたこともあり、現在遺跡の周辺ではヒグマが近寄らないための対策を行っています。古来より狩猟の対象であり、その関わりは森町では縄文時代から確認されています。そこで今回は森町の遺跡から出土したヒグマについてご紹介します。
ストーンサークルがある鷲ノ木遺跡のすぐ近くに位置する鷲ノ木4遺跡では70点を超えるヒグマの骨が出土しました。そのほとんどが指の骨で、頭の骨や牙は1点も見つかっていません。さらに全ての骨が焼かれて白色化した状態だったため、意図的にヒグマの指の骨だけを集めて焼いていたと考えられています。
焼かれた骨のうち4点を森町遺跡発掘調査事務所で展示していますが、よくみると端部に貫通する穴が開けられている様子を確認できます。この穴に紐を通してネックレスのようにしていたのかもしれません。長さは5cm程度で、ヒグマの基節骨(指の付け根の骨)を利用してつくられています。
どうして指の骨を焼いたのか、骨で作った道具を何に使っていたのかなど分からないことは多くありますが、ヒグマは信仰の対象となることもあります。もしかしたら強靭なヒグマの神秘性に憧れて儀式や呪術等を行っていたのかもしれません。

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