◆第21回 ニシン(その3)
本町では四季折々においしい魚介類が水揚げされます。地元の水産物への理解を深め、その魅力を発見するため各種水産情報を発信します。今月号は、春の到来とともに来遊するニシンです。
▽漁獲量と傾向について
本町に来遊するニシンは、2018年から急激に増えはじめ、昨年は近年最高となる3,605トンの漁獲量となりました。本年は、前年同期より4割ほどの漁獲量で、やや低調なペースで推移しています。今年のニシンは、昨年より大きな魚体が来遊しており、大きなメスでは体長35cm、体重は450gほどのサイズの魚が目立っています。
[標津産ニシンの漁獲量推移] (トン)
※2024年4月16日現在の累計
▽食べ方について
ニシンは骨が多く苦手な人が多いと言われていますが、さばき方や下準備に少し手を加えることで刺身や煮付け、焼き物などの具材として美味しく食べられます。
(1)背開きと3枚おろしの半身(薄めに塩をまぶして干物)
(2)手で皮がむけます。(頭側→尾側)
(3)2~3mm間隔の骨切り(小骨を小さくする)
【食中毒に注意!】
・アニサキス(寄生虫)
目視確認で除去できているか確認しましょう。マイナス20℃で24時間冷凍するか加熱することで死滅します。
・ヒスタミン
鮮度が低下すると生成され、生成されると加熱しても減りません。冷却保存しましょう。
▽数の子の作り方
卵の色が黄色の完熟卵でないとコリコリした食感になりません。生鮮卵、冷凍卵からでも作れ、卵を取り出したら薄い塩水で血抜きをし、段階的に塩水を濃くして卵を固くします。
ある程度卵が固くなったら卵のう膜を取り除き、最後は飽和塩水で保管します。塩数の子、味付け数の子など調理する場合は、塩水漬け数の子の3倍量以上の水に適時交換しながら漬け込んで2~3時間ほど塩抜きし、調味してください。
(1)上:冷凍卵、下:生鮮卵、冷凍卵は形が良い。
(2)冷凍卵は扱いやすい。(折れやすいので注意)
(3)生鮮卵は柔らかい。(塩水工程で固まる)
(4)生鮮卵は、卵のう膜を破らないようにする。
(5)5%塩水に漬け込み血抜き(塩水交換1日2回)
(6)10%塩水に漬け込み血抜き(塩水交換1日2回)
(7)ピンセットや爪楊枝で卵のう膜を取り外す。
(8)上:外した卵のう膜、下:数の子
(9)約15~20%塩水に1日漬け込み、翌日飽和塩水に漬け込んで冷蔵保存する。
(10)左:冷凍卵、右:生鮮卵、水で塩抜きし、塩加減を調整して塩数の子やめんつゆベースの調味液に漬け込むと味付け数の子になります。
※詳しくは広報紙P11をご覧下さい。
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