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自治体の皆さまへ

ニタイ・トからのお便り 第22号

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北海道標茶町

■博物館(はくぶつかん)より一筆啓上(いっぴつけいじょう)
ニタイ・トでは4月より自然系学芸員が一人増員し、自然に関わるさまざまな調査活動が始まりました。これまでとは違うニタイ・トの新事業も計画中。どうぞご期待ください。(坪)

■「標茶町博物館紀要」第5号 配布中
標茶町博物館の研究報告誌「標茶町博物館紀要」第5号を、ニタイ・トにて無料配布中です。自然や歴史に関する報告が5本掲載されている他、令和4年度の博物館活動を集約した年報も収録。
奥田幸子氏によるアイヌ語地名講話の聞き起こし報告は、塘路や虹別のアイヌ語地名を分かり易く学ぶことができます。
ご希望の方はどうぞニタイ・トへお越しください。残部の限りお渡ししています。

■しべちゃ※しろ~と
「シャチ、一種ではなかった」 ~標茶町とシャチの意外なつながり~
海の王者であるシャチは世界中の海洋生態系の頂点に君臨し、世界最大生物であるシロナガスクジラをも捕食するパワーと知性を備えた動物ですが、海のない標茶町との関りがあることをご存じでしょうか?
実はアイヌ文化においてシャチは塘路湖の神様として大切にされ、塘路アイヌのシンボルマークであるアシペノカはシャチの背びれがモチーフになっているのです。また、塘路アイヌは釧路アイヌと仲がよく一緒に捕鯨を行っていたという伝承も残っています。このように、海のない町ですがシャチを大切にした過去があり、我々が思っている以上に海との繋がりもあったようです。
そんなシャチですが、複数のタイプがいることはご存じですか?シャチは英語でkiller whale(鯨を殺す者)と呼ばれており、テレビでもクジラやイルカ、アザラシなど海生哺乳類を食べるシーンが多く描かれ「海のギャング」のイメージが強いかと思います。ですが本当は「海生哺乳類しか食べないシャチ」と「魚しか食べないシャチ」の2タイプが存在するのです。どちらもバランスよく食べるタイプはおらず、何かと偏食であることが分かっています。加えてこれらのタイプは全く別系統に進化しており、同じ地域に住んでいても異なるタイプとの間で子どもを残すことは無いそうです。もっと不思議なのは水族館で飼育されていた「海生哺乳類食性のタイプのシャチ」は普通に魚で餌付けできることが観察されています。本来は食べられるものを食べなかったり、集団によって食べるものが違うシャチですが、このように進化したのは社会性が高く、それぞれの集団間で文化的な隔離が起こったからだと考えられています。ちなみに今年の3月に北大西洋に生息するシャチの一部は正式に別種と認められ、ついにシャチは1種類ではなくなりました。
アイヌの人々が大海原で見たシャチは果たして海生哺乳類を食べるタイプだったのか、それとも魚類を食べるタイプだったのかどちらなのでしょうか?

標茶町博物館ニタイ・トは、7月1日より8月31日まで毎日開館します。また7月17日は、「道みんの日」として常設展示の見学が無料となるほか7~8月にかけてさまざまな夏休みイベントを開催!イベント情報の詳細は、博物館のホームページで確認できます。本紙の二次元コードにてご確認ください。

■特別企画展and特別講演 「OSO18としべちゃ~クマと共に生きる地域社会~」
標茶町を中心に大きな家畜被害をもたらしたOSO18の特別展。マタギと呼ばれた標茶のアイヌの人々によるクマとの接し方についても紹介。OSO18の牙(本物!)や、OSO18を仕留めた銃弾(これも本物!!)、OSO18の等身大パネル等を展示。なお連携事業として、標茶町図書館でもOSO18の書籍展示コーナーが設けられます。
また8月3日には、ヒグマ研究の第一人者である酪農学園大学の佐藤喜和教授による、クマと地域社会について特別講演を開催。標茶に住んでいれば誰もが気になる内容となっています。どうぞご期待ください!

■特別企画展 「OSO18としべちゃ~クマと共に生きる地域社会~」
開催期間:8月3日(土)~9月8日(日)
開催期間中は9月2日のみ休館日となっています。
展示会場:標茶町博物館1階 企画展示室
観覧料:無料

■特別講演(仮) 「近年のクマによる活動変化と地域社会との関わり」
開催日時:8月3日(土)13:30~15:00
会場:標茶町博物館1階 ラウンジ
参加費:無料
定員:70人
申し込み:標茶町博物館まで。

■夏休みイベント 「わくわくニタイ・ト★ツアーキーワードを集めてプレゼントGET」
ニタイ・トの展示物からキーワードを6つ集めて答えを見つけましょう!
夏休みイベントとして、親子で楽しめる内容となっています。参加された方にはスタッフ手作りのプレゼントを差し上げます。どうぞご参加ください。
イベント期間:7月20日(土)~9月1日(日)
会場:標茶町博物館2階 常設展示室
参加費:無料(但し常設展示の観覧料が必要です。高校生以下および70歳以上の方、障がいのある方と介添人の方1人まで無料となっています。)

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