■食べても食べても「栄養不足」?!食育講演会レポート
11月30日、加工食品ジャーナリストの中戸川貢さんを講師に、町民向け「食育講演会」を開催しました。中戸川さんは食品メーカーに勤めていた経験を基に、添加物についてのさまざまな調査をしてきた方で、ミネラルの重要性や添加物について全国各地で講演をしています。今月は、講演内容の一部を紹介します。
●現代人が栄養不足?
栄養失調とは、食糧不足により満足に食事ができず、おもにエネルギー量が足りていない状態を指します。しかし、「新型栄養失調」はエネルギーは十分足りているにも関わらず、体に必要な5大栄養素(※)が不足している状態を指します。これは現代の食生活スタイルが招いたもので、便利な現代だからこそ起こりうる栄養失調です。
特に足りていないとされる栄養素が「たんぱく質」と「ミネラル」。食事量が減る高齢者がたんぱく質不足になりやすく、老若男女問わず外食がちな人がミネラル不足になりやすいです。
(※)5大栄養素…たんぱく質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル
●ミネラルは食事から
ミネラルは体の調子を整えるために重要な栄養素で、体内では作り出せないため食品から取る必要があります。代表的なミネラルにはナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛などがあります。
スーパーのお惣菜やカット野菜は手軽においしく、とても便利ですが、お惣菜は原材料に業務用の水煮野菜を使うことも多く、ミネラルごとゆでこぼされた「抜け殻」の野菜を使っていることも。カット野菜は殺菌消毒のためによく洗浄されるため、ミネラルが抜けてしまっています。せっかく料理をするなら、「野菜を切る」ところから始めたほうが良い、というのが中戸川さんの考えです。
●リン酸塩にご用心
ミネラル不足を加速させる原因には、食品添加物の『リン酸塩』が挙げられます。食感をやわらかくしたり色味を鮮やかに見せる作用があるため、ハムやソーセージ、冷凍食品、デザートなどさまざまな食品に使われています。
リン酸塩自体に毒性はなく、体内に入っても吸収されずそのまま便として体外に排出されます。しかしその際、体内のミネラルを抱え込んで一緒に排出してしまう性質があります。ただでさえミネラル不足のところに、このリン酸塩を含んだ食品を食べてしまうと、貴重なミネラルがどんどん体から失われてしまいます。
▼ミネラル不足の補い方
▽「野菜を切る」ところからの手作り料理をする!
水煮・カット・冷凍野菜はミネラルが抜けています。
▽ゆで汁を捨てない調理をする!
ゆで汁こそミネラル豊富。カレーやスープがおすすめ。
▽ふりかけを持ち歩き、外食の際にご飯にかけて食べる!
「おかか」よりも「煮干し系」のほうがおすすめ。
▽ナッツやゴマ、納豆、豆腐などを合わせて食べる!
ミネラル豊富な食材を積極的に取り入れましょう。
▼ミネラル豊富な給食
中戸川さんには比布町の学校給食の成分分析も依頼しており、ミネラルの質・量ともに高いレベルという評価をいただきました。
◆まとめ
栄養学によると、人はストレスを受けると体内のミネラルを大量に消費する。
まとめストレス社会で生きる私たちにできることは、ミネラル豊富な食事を心がけること。
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