以前の法テラス江差通信で、相続放棄を取り上げました。そこで、相続放棄のメリットの1つとして被相続人の負債から解放されることを挙げました。
今回は、被相続人の債務をどのように調べるのかということについて、取り上げたいと思います。
被相続人の債務を調べるにあたっては、まず郵便物や遺品の確認をすることになると思われます。その際、消費貸借契約書や督促状など借金に関する書類がないかをよく確認した方が良いです。
もし書類などが見つからないとしても、被相続人の預金通帳の出金履歴を確認して、借金の返済に関する記載がないか確認をすることで借金の存在に気付けると思われます。定期的に特定の会社や人物への出金がある場合、被相続人の借金の返済に関する記載の可能性があります。
以上の調査をしても全くわからない、あるいは不安が残る場合は、個人信用情報機関で被相続人の信用情報の開示を受ける方法があります。貸金業者などは通常、個人信用情報機関に加盟しており、貸付けの際は、そのことを登録することになっております。ですので、個人信用情報の開示を受ければ、被相続人の債務を把握することができます。
個人信用情報機関としましては、株式会社日本信用情報機構(略称JICC)、株式会社シー・アイ・シー(略称CIC)、一般社団法人全国銀行協会(略称全銀協)がよく利用されます。それぞれ、主たる加盟企業に違いがあるため、債務を網羅的に把握するには3社すべてに開示の申し込みをすることが良いと思われます。信用情報開示は、インターネットで行うこともできますので、必要に応じて利用してみてください。
なお、信用情報の開示で被相続人の債務を網羅的に把握できますが、全ての債務を把握できるわけではないことに注意が必要です。
相続放棄には期間の制約もありますので、債務調査も早めの対応を行った方が良いです。
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法テラス江差 弁護士 樋口 直久
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