町長 照井 誉之介
新年明けましておめでとうございます。町民の皆様におかれましては、新春の幕開けを晴れやかな気持ちでお迎えしたことと存じ、お慶び申し上げます。本年もよろしくお願い申し上げます。
暖冬で降雪の少なかった昨冬とは違い、今冬は降り始めが早く、予想では降雪も多いとのことです。町民の皆様におかれましてはくれぐれも体調管理にお気をつけてお過ごしください。
昨年は、元日に発生した能登半島地震によって、わが町の友好都市である石川県珠洲市に甚大な被害をもたらしました。またその後に豪雨災害にも見舞われました。一日も早い復興を願うばかりです。江差町は地震発生後、檜山管内各町や檜山振興局の協力もいただきながら、珠洲市へ職員を派遣したほか、町内外の皆様から募りました義援金5,666万2,424円を送らせていただきました。
地震直後には江差町にも津波注意報が発令され、町民の皆様には避難行動をとっていただきました。防災意識の高さを感じるとともに、いち早い情報伝達の重要性をあらためて実感しました。デジタル媒体や個別受信機などで江差町の災害情報を発信する「防災情報伝達システム」を令和8年度中に供用開始できるように準備を進めているところです。
昨年の江差町を振り返ってみますと、6月に江光ビル跡地にコミュニティプラザえさし「エコー」が開業しました。多世代の交流の場としての機能を備えており、特に2階のスペースには連日地域の小中学生が集まり、街なかに子どもたちの声が響いています。今後は上町の商業振興につなげていく取り組みを強化していきたいと考えています。
8月には町内の新たな交通手段として「江差マース」の本格運行を開始しました。既存の路線バスやタクシーなどを補完する役割として、自宅と町内の商店や病院、公的機関などを結び、運転免許を持たない方に、買い物や通院などで活用していただくことが狙いです。本格運行開始後の利用実績は目標としていた数値をほぼ達成しており、今後はより利便性を上げるため、乗降地点の拡充や、平日週3回の運行を週5回に拡大することなどを検討していきます。
9月の江差追分全国大会は、第60回となる節目の記念大会となりました。町民大合唱などの記念行事を行い、例年以上に多くの町民の皆様に会場へ足を運んでいただくことができました。江差追分をはじめ、地域の郷土芸能や文化財などの地域資源を活用し、日本遺産事業などを核として地域振興につなげていく所存です。ちなみに私事ですが、昨年、江差追分の格付審査を受けて「5級秀」をもらいました。私自身も率先して町外へのPRにまい進してまいります。
さて令和7年。政府の掲げる「地方創生2.0」や脱炭素政策などと歩調を合わせながら、江差町らしいまちづくりを力強く推進していく考えです。
檜山沖で議論が進む洋上風力事業に関しましては、利害関係者であるひやま漁協の建設推進の意向を踏まえつつ、昨年6月に制定した条例のゾーニングマップに基づき、地域との共生、地域振興が図られるよう、法定協議会の場で江差町の考えを表明していきます。
かもめ島周辺の活性化策「北の江の島」事業では、拠点施設の整備に向け、官民連携の手法で一定程度のコスト削減効果が見込める「DBO方式」を採用し、事業者を選定していきます。道の駅機能に加え、子育て世代からの要望の多い室内遊戯スペースを機能の中心に据えます。町民にも親しまれる施設となるよう丁寧に進めてまいります。
産業分野では、3年目となるトラウトサーモンの養殖、農業ICT化の更なる推進を行うほか、町内事業者に波及効果が大きいふるさと納税の寄付額拡大にも引き続き力を入れていきます。昨年度の寄付額は2億1,837万円でした。その約3割は返礼品を取り扱っている町内事業者に循環しています。本年度も好調に推移しており、寄付額の拡大に向けて返礼品の掘り起こしに担当職員と力を合わせて取り組んでまいります。
さらには、移住定住の促進が重要課題です。令和5年度に制度化した子育て世帯に対する住宅購入助成が好調で、町内世帯の定住のみならず、他自治体からの移住につながったケースもあり効果が出てきています。新年はこれに加え、地域産業の担い手不足解消と移住促進を目指して地域おこし協力隊の積極的な活用を行っていく方針です。
新年の干支は「乙巳(きのと・み)」。変化が起きる年といういわれがあるようです。社会の変化を敏感に察知し、人口減少や少子高齢化という難題に対して良い変化をもたらすことができるよう、町職員と一致団結して町政運営の舵取りを担っていく所存です。引き続き皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
結びに、あらためまして新年が町民の皆様お一人お一人にとりまして良き1年となるようご祈念申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
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