◆2月2日(金) 安井 美裕
近年、乳用牛だけではなく肉用牛の一大産地となった十勝です。もちろん、本町にとって、牛肉は町を特徴づける存在です。
1月25日に、十勝和牛振興協議会創立50周年記念式典が開催されました。同協議会の会長である本町の宮前裕治(みやまえゆうじ)さんの式辞は、これまで努力を重ねた先人と協力いただいた関係者への感謝の言葉に始まり、中でも印象的だったのは、育種改良を重ね、和牛生産の礎を築き上げた先進県の関係者への敬意の言葉でした。北海道は和牛生産においては後発産地です。でも、広大な大地と恵まれた自然環境、そして、先進地に学び尊敬の念を持って、「牛づくりは人づくり」との考えの下、たゆまぬ努力を重ね、改良を進める姿勢にこそ、産地として成長する十勝の底力があるのではないかと感じました。
今、十勝が和牛で注目されるもう一つの理由は、「和牛のオリンピック」と呼ばれ、5年に1度開催される「全国和牛能力共進会」の次回大会が令和9年8月26~30日に十勝(音更町、帯広市)で開かれることが決定したことです。前回の鹿児島大会で池田町からの出品牛が好成績を収めたことは、記憶に新しいところです。大会まで残り3年半、新たな目標に向かって、池田の牛たちが大躍進することを期待しています。
そして、本町にとってもう一つの和牛「いけだ牛」は、十勝和牛振興協議会の生産者が主に取り組む黒毛和種ではなく、「あか毛」の褐毛(かつもう)和種です。肉質への評価は高く、十勝ワインの澱(おり)や搾りかすを飼料として与え、新たな付加価値も生み出しています。飛行機で帯広空港に降り立った時、必ず空港ロビーのいけだ牛の看板が目に入ります。鉄板の上でド~ンと焼かれる肉の画像、「十勝ワインが旨(うま)さを磨いた。和牛本来の赤身の旨さと自然な香り、それがあか毛和牛です」と書かれ、この看板を見ると「帰ってきたな」と感じ、「やっと、時代は追いついた。」の文字にうれしくなります。
やっぱり、肉用牛生産は池田町の誇りです。
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