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鰊御殿とまり ごてん 令和6年1月号

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北海道泊村

■謹賀新年 
鰊御殿とまり館長 増川佳子

師走に入り、新しい年を迎える支度に気忙しい日が続きました。
幼い頃はお正月準備の最大イベントが餅つきでした。前日に臼と杵とあんこが準備され、朝から餅米の蒸けた香りが家中に立ちこめました。相取りの手が杵に潰されないかとハラハラしながら見ているうちに餅がつき上がり、お供えとあんこ餅の入った木箱には子ども達の作ったいびつなあんこ餅も並びました。
さて、川村家番屋の奥の方に、“餅つき場”があります。多くの鰊番屋では、“網おろし式(鰊漁が始まる前に、鰊豊漁・家内安全・海上安全を祈願する。3月下旬の大安の日が選ばれる。)”にたくさんの餅が用意されたようです。準備に相当のお金と時間と人手が必要だったことでしょう。“網おろし式”についての記述がありましたので、紹介します。

…枠船や起し船にのぼりや吹き流しが立てられ、更に大漁旗・日の丸・船名旗などがなびき、1升餅のお供えを三宝に乗せ、御神酒・榊・米・野菜・塩などが供えられる。やがて浜で神主によって修祓式が行われ、番屋内でも神棚の前で、親方・船頭・漁夫の順で参拝する。…修祓式が行われている間に、番屋の中では飯台が並べられ一人ずつに紅白の重ねの餅、赤飯、ボタ餅、刺身、煮付け、焼魚、煮しめの他酢和え等、平常時では見ることもできないご馳走で飾られる。早速、親方からの挨拶があり、続いて大船頭の挨拶と続き、「番付表」が大船頭から発表され、次に「規定書」の説明と移り、待ちに待った祝宴に入った。

[以下 茂岩武井家漁業日誌 明治42年度より]
3月26日
本日例により午後5時頃より網をろしの祝宴を催す
勝手雑用左の如し 餅米4斗入2俵
小豆1斗3升 玉砂糖15斤 他酒肴類
当村各戸に餡入り餅7個ずつを配贈す
午後10時頃会終わる

ちなみに、お祝い時にはお酒も必要ですが、明治42年発行の『後志國要覧』によると、当時の泊村には3軒の酒造店があったようです。これだけでも当時の繁栄が想像できます。
1軒は、茅沼村のカネ忠武井醸造店(「玉の川」「松の露」現在、開拓の村に当時の店舗が復元展示されています。)残り2軒は泊の角ニ酒谷醸造店(「桔梗」「恵比須川」)と興志内のカネ五高井醸造店(「塩越川」)。泊と興志内の2軒はどの辺にあったのだろうと調べているのですが、はっきりしません。ご存じの方がおりましたら、一報お願いします。

良い新年をお迎えになられましたでしょうか。今年1年の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。今年も『鰊御殿とまり』をよろしくお願いします。

令和6年 元旦

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