I はじめに
1 行政改革の経緯と必要性
本町は、平成8年に策定した「浜中町行政改革大綱」を始まりとし、これまでに9次にわたって行政改革大綱を策定してきました。この間、事務事業の見直しや職員定員及び給与の適正管理、財政健全化、町民との協働のまちづくりなど、効率的・効果的な行政運営に努め、社会情勢や多様化する行政ニーズに的確に対応し、町民の満足度をより高める行政サービスを提供できるよう、行財政改革を推進してきました。
しかし、町政を取り巻く環境は、少子高齢化の進展などによる人口減少、それに伴って基幹産業の担い手不足なども懸念され、町の財政収入の安定的な確保が難しくなってきております。また、社会保障関連費用、公共施設やインフラなどの更新費用の増大が避けられないなど、これまで同様の行政サービスを提供することが厳しい状況が見込まれます。そういった状況を背景に、行財政運営においては、町民福祉の向上や地域課題への対応について、町民と行政が共に考え、「地域とともに歩む創意に満ちたまちづくり」を推進することが益々重要になってきております。
令和5年度をもって第9次浜中町行政改革大綱の計画期間が終了となったことから、持続可能な行財政運営に向け「第10次行政改革大綱」を策定し、継続して行政改革に取り組んでいきます。
この新たな行政改革大綱はこれまでと同様、町民誰もが安心して暮らせるまちづくりを進めるため、多様化・高度化する住民ニーズに適応できる行政サービスの提供を軸としています。そのために、公正・公平性・透明性をこれまで以上に高め、積極的に地域や町民との共創によるまちづくりを推進し、時代の変化に即したより効果的な行政運営を進めていくことが重要であります。
2 直面する諸課題
(1)人口減少社会への対応
我が国の人口減少は急速に進行し、本町においても生産年齢人口の減少や急激な過疎化が産業やコミュニティなど、地域社会に大きな影響を与えることが懸念され、それに向けた対策は喫緊の課題でAります。本町は、人口の将来推計や目標数値などを示す「浜中町人口ビジョン」、人口減少対策の方向性や具体的な施策を示す「浜中町創生総合戦略」を策定し、様々な施策を展開してきました。
今後も行政の各種計画等との整合性を図り、産業における担い手対策や雇用創出、子育てしやすい環境の整備、福祉や医療の充実、住環境の整備など、横断的な施策により、すべての町民が安心して暮らし続けることができる環境づくりが求められます。加えて、町外からの移住者や外国人労働者などの受け入れ体制の整備も必要であります。
さらには、持続可能な地域づくりを推進するために、国連が提唱し国も取組を進めている「持続可能な開発目標(SDGs)」の考え方を取り入れた地域づくりを進めていくことも念頭に置かなければなりません。
(2)地域と行政との共創
情報化やグローバル化によりライフスタイルなどが大きく変化し、価値観が多様化・高度化する今日、地域課題もまた多様化しています。こうした地域課題の解決には行政のみならず、地域住民や地域コミュニティなどとの連携が不可欠であります。
本町は、これまで自治会・町内会、各関係団体等との連携を図りながら、地域と行政が一体となってまちづくりを進めてきました。
しかし、ライフスタイルの多様化や核家族化に伴い、人と人との繋がりが希薄化することで地域コミュニティ活動が衰退し、地域力の低下が懸念されます。地域コミュニティは、個人や家族だけでは解決できない課題を共助、相互扶助により解決に持っていく大変重要な役割を担っており、特に近年では災害等を契機に、共助社会の重要性が再認識されています。
本町ならではの個性豊かなまちづくりを推進するため、地域コミュニティ活動が円滑に継続し、かつ地域と行政が共にまちを創るための新たな仕組みづくりが求められています。
(3)行財政の的確な運営
本格的な人口減少社会の到来により、本町もこれまで以上に厳しい状況の中で行財政運営をしていかなければなりません。本町はこれまで、9次にわたる行政改革大綱を策定し、安全かつ良質な行政サービスの提供と財政健全化などに取り組んできました。
しかし、地方分権が進む中、多様化・高度化する住民ニーズに対応するためには、より柔軟かつ効率的な行政サービスの提供が求められます。また、限られた財源を効果的、重点的に投資する必要性があります。そのため、公正・公平性・透明性を一層高めつつ、時代の変化に適応した行財政運営を進める必要があります。
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