■太郎君と学ぶシリーズ(44)
腸内細菌3兄弟
▽前回のお話
たろうくんは前回、便(うんち)を観察することで、生活習慣の良し悪しが分かることを学びました。また、便(うんち)には腸内細菌や腸粘膜も含まれており、便秘になると、動脈硬化の原因となる尿酸やコレステロールが排泄されないばかりか、細胞ががん化しやすくなるということを学びました。今回は、より良い便(うんち)をつくるために重要な腸内細菌について詳しく学びます。
〇たろう君は、腸内フローラって知ってる?
◇聞いたことはあるけど、よく分からないです…
〇私たちの腸内には、多種多様な細菌が生息していて、その数なんと、約1,000種100兆個!
〇その細菌を顕微鏡でみると、まるで多くの植物が生息しているようにも見えるのそのため、英語の花畑(floraフローラ)という名称から、腸内に住んでいる多種多様な細菌の集合体を「腸内フローラ」と呼ぶようになったそうよ
◇なるほど~
〇腸内細菌は、大きく分けて以下の(3)つに分類されるの
まずは、発酵をうながす(1)善玉菌よ
善玉菌は食物繊維、糖質を分解し、発酵によって短鎖脂肪酸を産生するの
◇これは良い細菌なんですね
〇一方、(2)悪玉菌は、腐敗を起こして、からだに有害な物質をつくるの
飽和脂肪酸の多い肉類が増えると、悪玉菌が増えると言われているわ
◇ぼくの腸内にはコイツが多いのか…
〇そして、(3)つめの日和見菌(ひよりみきん)は、その人が食べた材料によって決まり、多い方の細菌になびく、どっちつかずの細菌なの
◇長いものに巻かれる細菌なんですね
ずるいけど、味方につければ良い戦力になりますね!
腸内細菌3兄弟
〇この3兄弟で腸内環境のバランスを保っているんだけど、こうして内訳をみると、ぼーっとしている日和見菌が、実は一番権力を持っているのが驚きよね~
◎フフ…食物繊維を食べてくれないと、悪玉兄ちゃんと仲良くしちゃうんだからね…
◇待って~野菜を食べるから、善玉くんと仲良くして~!
□日和見は食物繊維がもらえないと、すぐ機嫌が悪くなるからな~
◎えへへ…
△チッ 余計な情報流しやがって…もっと動物性脂肪を食べてくれよ~
◇3兄弟もそれぞれ性格が違うと大変だなぁ
〇3兄弟が仲良くバランスを保つためにも、飼い主が細菌の住む環境を整えてあげることが大切よ
◇飼い主…僕たち人間のことですね
食物繊維をしっかりとって、3兄弟たちのバランスを整えてあげなきゃ
〇腸内細菌は、数週間で入れ替わるから、食生活を見直せばすぐにバランスを調整できるのよ
□食物繊維(特に水溶性食物繊維:広報令和5年5月号参照)をしっかりとった時の、便(うんち)のニオイ、見た感じ(重さ)がどう変化しているか観察してみてね!
ぼく(善玉菌)が増えて、食物繊維を分解・発酵することによって、肥満の救世主“短鎖脂肪酸”が増えていることが分かるよ!
△俺もたんぱく質の分解には少しは必要なんだぜ…仲間はずれにすんなよ
◎善玉兄ちゃんと仲良くしよ~
問合せ:役場保健福祉課保健予防係
【電話】576-5111
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