■対話の場面を作り活気づく年に
浦幌町長 井上亨(いのうえとおる)
新年あけましておめでとうございます。
町民の皆様におかれましては、ご家族ともども穏やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年を振り返りますと、ロシア・ウクライナ戦争の長期化に加え、イスラエルとパレスチナが戦争状態になるなど世界情勢は極めて不安定でした。こうした情勢に端を発し原油価格・物価高騰や円高の影響によって町民生活や事業者の経営に大きな影響が及んだ一年でした。
また、猛暑に悩まされた年でもありました。今年の夏はこれまで経験したことがない暑さで、ついに涼しかった本町でもエアコンの必要性が叫ばれると同時に地球温暖化のスピードの速さに改めて脅威を感じたところであります。
一方、明るい兆しもありました。新型コロナの取り扱いが5類へと移行し、4年ぶりに各種行事や交流が再開できたことであります。
おかげさまで9月にはふるさとのみのり祭りが、過去最高に並ぶ3万6千人の来場をいただくなど大盛況でありましたし、10月には第2回うらほろマラソンも開催し、町内外から多くのランナーにご参加いただき、浦幌の自然あふれるコースを満喫していただきました。
そして新年が明け、気持ちも新たに輝かしい年となることを期待してのスタートになりますが、忘れてはならない課題があります。
それは少子高齢化と人口減少です。
浦幌の基幹産業は農林水産業による第一次産業でありますが、このまま人口減少が進むと、それを支える労働力もまた失われてしまいます。その影響は二次産業、三次産業と波及し町全体の活気にも大きな影響を及ぼします。
こうした状況を少しでも打開するために、町外から浦幌に興味を持ってくださる企業・地域・行政が連携し、町の課題解決や産業振興を担うための取組みとして、十勝うらほろ創生キャンプ事業を進めています。
また、産業だけに限らず、交通対策や買い物支援、医療体制など解決しなければならない課題がありますが、行政だけで対処するのではなく専門的な知識を有した企業と連携することで改善できると判断しています。
こうした取り組みを町民の皆様に理解していただくため、ふれあいトークや出張説明会など対話の場面を作っていきたいと思います。
今年の干支である辰年には、龍のような力強さがあり、活気づく年になると言われています。
今年一年が町民の皆様にとって飛躍の年になりますことを心からご祈念申し上げまして新年の挨拶とさせていただきます。
■議会のあるべき姿を捉え住み良いまちづくりに
浦幌町議会議長 森秀幸(もりひでゆき)
明けましておめでとうございます。
町民の皆様におかれましては、輝かしい希望に満ちた新年をご家族お揃いでお迎えされたことに、心からお慶び申し上げます。
昨年は新型コロナウイルスの位置付けが5類に引き下げられたことに伴い、浦幌町最大のイベントである「ふるさとのみのり祭り」では、恒例の秋あじのつかみ取りなどが復活するなど、制限なしの通常どおり開催されたことは大変嬉しいことでありました。
さて、昨年の本町を顧みると、農業畜産関連においては、30度を超える猛暑が続くなどの異常気象に合わせ、肥料・飼料・生産資材等の高騰など、厳しい環境下での経営を憂患したところであります。地球温暖化による異常気象、世界情勢の混乱による高騰が続いておりますが、本年は安定した経営ができるよう望むものです。
漁業においては、秋鮭・シシャモ等の漁獲量低迷が続き、ますます厳しい状況だと伺っており、今後に不安を残すところでありますが、一刻も早い回復を願うところであります。
林業については、ウッドショックと呼ばれる木材市況の混沌は終息したものの、製品受注・流通は鈍化傾向で、価格も下落傾向にあると伺っています。林業労働力は雇用者数を維持しておりますが、依然として不足感が続いている状況であり、議会としても「森林・林業・木材産業施策の充実・強化を求める意見書」を国に提出したところであります。
商工業については、コロナ禍の影響がまだ残っているように思えますし、人口減少等も大きな影響をもたらしていると感じています。大変厳しい状況ではありますが、町民皆様の町内消費行動に深いご理解とご協力をお願い申し上げます。
町議会では、議員のなり手不足の解消に向けて、町民の皆様と向かい合い議論を重ねてきたことにより、昨年の統一地方選挙においても12名の立候補があり、その結果、20代から30代の女性議員が誕生し、平均年齢も62歳から51歳へと若返りました。これからの任期4年間においては、若者や子育て世代、女性の視点が入った議会改革を進め、議会報告会、まちなかカフェDE議会などを通じて町民の皆様の意見・要望等をお聞きし議会のあるべき姿を捉え、チーム議会として住み良いまちづくりに邁進してまいります。
結びになりますが、今、世界で起きている戦争行為が一刻も早く終結し、以前の日常に少しでも戻ることを願うとともに、令和6年が災害のない1年であり、町民皆様にとりましてご健勝で幸多い年であり、加えて五穀豊穣、豊漁をご祈念申し上げ新年のご挨拶といたします。
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