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自治体の皆さまへ

町長コラム No.8

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北海道浦幌町

浦幌町長 井上亨

この人はタイムスリップができるのだろうか?
そう思ったのは、昨年12月25日に行われたJR浦幌、厚内両駅の開業120周年記念が行われた時のことです。
この日、式典参加者はバスに乗って音別駅に移動し、JRに乗り換え音別〜浦幌間を視察乗車しました。
バス内では浦幌博物館の持田学芸員が案内役となり、開業当時の状況からこれまでの歴史的な経過について説明を受けました。
冒頭に書いた驚きは、持田学芸員がこの鉄道のルート選定に至った経緯や戦時中に空襲を受けた話、沿線にある集落のエピソードなど、まるで当時の情景が思い浮かぶほど詳細な説明をしてくれたことです。
勿論、私と同じ世代ですから当時を知るはずもなく、かつて鉄道を利用されていた方からの聞き取りや文献調査によるものだと推測します。
しかし、この説明を聞いてから乗車するのと聞かないで乗るのとでは、車窓から映る景色もまるで違って見えるのです。
普段、意識して考えたことはありませんでしたが、この長い距離をしかも橋やトンネル工事が伴う山間部に鉄道を敷設したのです。
その苦労たるや想像すら追いつきませんが、こうして120年経った今もなお鉄路が維持されていることへの感謝を改めて感じました。
一方、映画「鉄道員(ぽっぽや)」でロケが行われた幾寅(いくとら)駅のある富良野〜新得間が3月末で廃線となります。2016年の台風以降不通となっており再開を見ないままその幕を閉じることになりました。
駅があり列車が来るという当たり前の光景がどれだけ幸せなことかを町民皆さんにも改めてご理解いただければと思います。
ちなみに2022年3月から根室線普通列車は新型車両へと入れ替えされています。車内は広々としており、冷房装置も完備されていますから暑い夏でも快適に過ごすことができます。
120年の歴史を感じながらご家族、知友人と共に列車旅を楽しまれてはいかがでしょうか。

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