文字サイズ
自治体の皆さまへ

令和6年度 町政執行方針(2)

2/33

北海道浦臼町

■基本政策の4本の柱
◇1 地域経済を支える産業の振興
最初は「地域経済を支える産業の振興」であります。まず本町にとって農業は町の基幹産業であり、今もそしてこれからも経済の中心であることは変わりません。しかし、時代の変化や技術の進歩とともに経営や作業の形態が大きく変わり続けており、食料農業農村基本法の改正により農業生産の安定化や環境保全への取り組みが重点化され、さらなる変化が求められることになります。
これまでの取り組みとして、農業収入の向上や分散、地域の特産品化を目指し、にんにくの生産振興に努めてまいりましたが、引き続き推進するとともに、米の消費減少が確実視されている現状で、他の高収益作物を検討してまいります。
また、新規就農者対策につきましてはようやく最初の一歩を踏み出したところです。定住対策としても重要な施策であり、安定確保に向け支援強化を図ってまいります。また、より実践的な研修環境づくりのため、研修農場の設置に向けた検討を進めてまいります。
スマート農業の推進につきましては、対象を拡大し助成を継続するとともに、現実的な利用に向け、実証試験、情報提供の充実に努めてまいります。また、農機具メーカーとのスマート農業推進に関する協定を締結し、実装化に向けての取り組みを進めてまいります。
有害鳥獣対策として猟友会との連携を図るとともに、次年度からの鹿侵入防止のための電気牧柵設置の制度化に向けて関係団体との協議を開始します。また、近年は熊の出没、目撃が相次いでおり、道内でも人身事故が発生していることから、猟友会、警察等関係機関との連携を図り、被害防止に向けて取り組んでまいります。
水稲栽培において水の確保は根幹をなすものであり、石狩川河川敷の取水口揚水機場は老朽化が進み懸案事項となっています。かねてより、開発局と協議を進めてきておりますが、明確に整備計画として決定されるよう要請を続けてまいります。
環境負荷の低減対策につきましては、脱炭素化への取り組みなど世界的な潮流の中で、農業分野におきましても必須事項となっています。全国、全道的な対策が本格化する中で、町として何が可能なのか、関係機関と協議、決定し実施してまいります。
次に、商工業、観光関連についてでございます。3年に及んだコロナ禍により、人の動きが止まり経済が停滞する中、商工会関係者の皆様は厳しい状況を耐え、町民の皆様のため事業を継続していただきました。しかし、その間におきましても、人口減少による購買力の減少や流出は避けがたく、経営者の皆様の高齢化とともにより厳しい環境になっています。今後におきましては、プレミアム商品券を継続するとともに、事業の継続、継承に対する支援の拡充についても商工会と協議してまいります。また、新規出店や新しい取り組みに対する支援の充実やチャレンジショップ設置に向けた検討を開始いたします。
続いて観光分野ですが、これまでの1期4年間をとおして道の駅、休養村センター、鶴沼公園を一体的に再整備する産業観光グランドデザイン整備事業として、実現可能な手法について検討してきたところです。しかし、いずれの方法も想定する施設規模や機能を維持したまま明確なコスト削減とはならず、逆に諸物価高騰の影響からより大きな負担となっているのが現状です。また、民間活力の導入に関しても期待する結果とはなっていません。最終的な結論は、議会の皆様に提示させていただき、町民の皆様のご意見をお伺いして決定していくことになりますが、過大な投資を伴う事業構想に区切りを付け、既存施設、用地を活用したより現実的なご提案をさせていただきます。

◇2 暮らしを支える生活基盤の充実
次に、「暮らしを支える生活基盤の充実」についてです。
まずは、生活全般といたしまして、駅前エリアを再びにぎわいと活気に満ちた場にしたいという思いから昨年から建設を進めてきました多世代交流施設「えみる」が5月2日にオープンとなりました。幅広い年齢層にご利用いただき、好評をいただいているところでございます。今後とも、ご意見ご要望をお聞きしながら、より良い施設になるよう皆様とともに育ててまいりたいと考えています。
日常生活を送る上で交通手段の確保は、欠くことのできない重要な生活インフラと考えています。JR、中央バス撤退後は、全ての公共交通に町が関わり運行していますが、コスト意識を強く持ちながら、路線の維持、利便性の向上を図っていくとともに、近隣他町との連携強化も図ってまいります。
住宅関連につきましては、新築や中古住宅の購入改修に対する支援策の強化を図ります。また、新たな分譲地選定に着手し、移住定住対策として転入者に対する分譲地の特別価格を設定してまいります。同時に公営住宅の大規模改修を進め、戸建て、公住両面での宅地、住宅確保に努めてまいります。
防犯面として、一向に収まる気配のない特殊詐欺から高齢者を守るため、まずは簡易な録音機能付き機器の無償配付を行い、被害の防止と防犯意識の向上に努めてまいります。
続いて、保健医療福祉分野についてです。これまで、老朽化の進む町立診療所の建て替えにつきまして検討委員会を設置し、ご協議いただいてまいりました。ご提言いただいた内容をもとに、本町医療の拠点となる診療所建設に向け迅速に進めてまいります。また、町民の皆さんが今後とも安心して受診することのできる体制を、関係者の皆様のご協力をいただきながら安定確保に努めてまいります。
現在5類となっている新型コロナ感染症、また近年高齢者を中心に感染者が増えている帯状疱疹の2つの感染症に対するワクチン接種に対し、新たな助成措置を創設します。
町民の皆さんとの連携、協働を促すための住民対話につきましては、私が現地に出向き意見を交わす「集い語らい出張トーク」の活発化を図るとともに、SNSでの情報発信も引き続き継続してまいります。さらに、町からの情報発信の方法として、全国で広く利用されている通信アプリLINEを使った情報の提供を開始します。登録制のため全町民対象とはなりませんが、まずはテスト的に開始し、登録者の拡大に務めてまいります。
次に、環境分野につきまして、ゼロカーボン社会の実現が世界的な潮流となる中で、地方自治体においても、取り組みを強く求められる状況にあります。国の2050年までの脱炭素社会を見据えた二酸化炭素排出ゼロの方針に基づき、本町におきましても一昨年ゼロカーボンシティ宣言を行いました。本年度は、地球温暖化対策実行計画の事務事業編の改正を行い、区域施策編の策定に向けた準備を開始いたします。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU