Q.納税相談したら、支払いが遅れても差し押さえはされないんだよね?
A.納税相談されている場合でも、納付可能だと判断できる財産(預貯金など)があれば、差し押さえを執行します。
地方税法では「財産を差し押さえなければならない」とされているためです。
また、差し押さえなどの滞納処分を執行する場合の事前連絡などは行っていません。
納税義務者との面談や財産調査の結果、収入や財産があり、支払い能力があると判断した場合、滞納額の大小に関わらず滞納処分のため、差し押さえを執行します。
差し押さえを行うためには、当然人件費や発送手続きにかかる費用などが生じてきます。これらにも市民の税金を使うことになるため、迅速かつ適正な滞納整理に取り組んでいきます。
■差押執行件数と充当額※1の状況
※1 充当額は換価時点で決定するため、差し押さえ年度と一致しない
※2 債権…預貯金、所得税還付金、自動車税還付金等、給与・年金等、生命保険
差し押さえ件数を増やすことが目的ではありません。
滞納整理は職員にとっても、相当な労力がかかり、精神的にもつらい業務なのです。
■滞納整理Q and A
Q:税金を滞納していると何か損をすることがあるのでしょうか?
A:市税を滞納すると、「未納がないことの証明(完納証明書)」が発行できません。そのため、市の補助金が受けられなかったり、市営住宅に入居できなかったりなど、滝川市内で利用できるサービスの制限が発生します。また、滞納になれば、勤務先や金融機関などへ財産調査が行われ、差し押さえになれば社会的信用を失うおそれもあります。
Q:納期限内に納付が困難です。納税相談すれば、分割納付できるのでしょうか?
A:納税相談により納付資力がないと判断した場合、分割による納付も受け付けていますが、相談時の状況によっては分割納付をお断りする場合もあります。
Q:預貯金などの個人財産の調査は、個人情報保護法に違反するのでは?
A:国税徴収法第141条に基づき滞納者の財産すべてに対する調査権限が発生し、その権限によって調査を行います。財産調査は、個人情報保護法に抵触しません。
※地方税法では、市税の滞納処分は国税徴収法の規定の例によるとされています。
Q:借金の支払いがあるため、税金が納付できません。
A:法律によって税金はすべての債務(借金含む)に優先すると定められています。
個人の債務より税金が優先となります(地方税法第14条)。
■滞納をなくすための取り組み
滞納整理について紹介してきましたが、滞納処分は最終手段です。市では、それ以前の滞納につなげないための取り組みにも力を入れています。
◇勉強会
毎月、納税係では勉強会を開催し、地方税法や国税徴収法など法律の勉強や、事例検証などを議論し、知識を深めています。
また、デジタル社会に対応できるよう、電子マネー納付をはじめとした納付手段の拡張や、未納状況通知へのSMS(ショートメッセージ機能)の活用検討など、社会の風潮も考慮しながら、滞納整理事務のレベルアップに向けて取り組んでいます。
徴税吏員として、専門的な知識を深めるための研修会にも積極的に参加し、参加後は係内で報告会を開催、全国の先進的な取り組みなども情報共有しています。
◇FP手法を取り入れた納税相談
生活再建と滞納整理を並行して行う、ファイナンシャルプランナー(FP)手法を用いて、相談者の生活状況の聞き取りから収支の状況を確認し、税の完納に向けた計画の相談を受けています。
また、税務課市民税係と協力しながら、税申告の指導も行っています。適切な申告を行っていただき、税額更正で発生した還付金を滞納市税に充当し、滞納税額を圧縮することにも取り組んでいます。
滞納税額の圧縮とはならなくても、扶養控除や生命保険料控除などを正しく適用することにより、翌年度の住民税が適正に計算されるよう申告方法の指導なども行っています。過去にはFP手法により、数十万円あった滞納が、完納となったケースもあります。
過去の差し押さえは、電話加入権が中心でしたが、時代とともに、換価しやすい預貯金や給与差し押さえが主流となりました。現在は電子マネーや売掛金債権など差し押さえ対象も多岐にわたっています。
自宅捜索を行った際に換価価値がある動産が発見された際は、その場で押収し公売を通して換価を行っています。
昔の徴収は、滞納者の自宅を個別訪問し徴収を行っていました。人員削減や全国的な徴収方法の転換時期と重なり、15年程前から訪問徴収ではなく、財産があるにも関わらず未納の方には、積極的な滞納処分を行い、完納していただく徴収方法へと変化しました。
滞納整理の早期着手・早期処分で滞納繰越(支払納期の年度を越して滞納すること)にならないよう、滞納処分の強化に努めています。
昔と今とでは、徴収の方法も変化してきています。
しかし、滞納につなげない、税の公平性を保つため日々業務に取り組む思いは、今も昔も変わりません。
納税相談に抵抗がある方や、相談しても解決しないと思っている方もいるかもしれません。実際、生活状況によっては、分割納付や支払い猶予に応じられない場合もあります。
しかし、確実に言えるのは放置しても滞納は無くならないということです。納税相談は、滞納を生まない、増やさないための第一歩です。
■まずはご相談ください
失業や営業不振などやむを得ない事情により税金を納期限までに納付することが困難な方、滞納している税金を一括して納付することが困難な方については、税務課納税係で納税相談を行っています。
夜間納税相談窓口(本紙P15参照)もご利用ください。
問合先:税務課納税係(市役所3階)
【電話】28-8021
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