■認知症になっても安心して暮らせる猿払村を目指して
▽自分ごととしてとらえる
認知症は特別な人がなるものではなく、誰もがなり得るもので、「若年性認知症」と呼ばれる、65歳未満でも発症する可能性のある認知症も存在します。日ごろからの予防は大切ですが、もしも認知症になったとき、家族や近所、職場、友人などの正しい理解と協力があれば、住みなれた猿払村で安心して暮らすことができます。また、近年では進行を遅らせる薬も承認されており、早期発見・早期治療ができればより安心です。
▽猿払村の取り組み
認知症を自分ごととしてとらえる次のステップとして、もっと詳しく知りたい、予防したい、自分が認知症になった時に安心して暮らしたい。そんな人たちのために、猿払村では様々な取り組みを行っています。
▽認知症サポーター講座の開催
地域包括支援センターでは、センターにいるキャラバンメイト(認知症サポーター養成講座を開催するために必要な研修を受講している人)が講師となり、これまでに一般住民はもちろん、稚内信用金庫や郵便局の職員のみなさん、小・中学生のみなさん、各地域のふれあいサロンに参加しているみなさんに対して開催してきました。最近では、役場の新規職員を対象に開催しています。認知症サポーターは、認知症を正しく理解し、認知症に対する誤解や偏見をなくし、認知症の人や家族を応援してくれる心強い味方です。
猿払村には、延べ404人の認知症サポーターがいます。認知症サポーター養成講座は、企業や自治会などからの要請があれば、土日や夜間に関係なく開催可能ですので、遠慮なく地域包括支援センターまでご連絡ください。
▽認知症予防のために
認知症を予防するためには、人とおしゃべりして楽しい時間を過ごすことも有効です。
地域包括支援センターでは、介護予防として毎週木曜日の午後から「グループリハビリ教室」を開催しています。体を動かし、さまざまなゲームなどをすることで楽しく、認知症も予防できる時間となっています。
▽研修会で理解を深める
村の多くのみなさんに認知症を正しく理解してもらうための研修会を開催しています。
令和5年6月には、北海道認知症の人を支える家族の会と共催し、「認知症の人と共に暮らすまちづくり研修会」を開催しました。
最近では、10月に村国保病院の佐藤院長の講演とエーザイ株式会社の協力による“脳年齢チェック”などを行う「認知症勉強会」を開催しました。
▽認知症初期集中 支援チームの設置
認知症の症状がみられるが、病院に繋がっていない人や一人暮らしの人などを支援するために、村では認知症初期集中支援チームを設置しています。認知症初期集中支援チームとは、認知症初期から家庭訪問を行い、症状を把握しながら家族への支援などを行うチームです。チームは、村国保病院の院長や看護師、保健福祉課の保健師、地域包括支援センターの社会福祉士で構成されています。
■「あれ?」と思ったら、相談窓口へ
地域包括支援センター業務係 係長(保健師) 菊池佳菜子
今や65歳以上の5人に1人が認知症となる時代です。知名度は上がってきていますが、実際に自分や家族、身近な人が認知症になってしまった時の具体的な対応についてはわからない方が多くいらっしゃいます。地域包括支援センターやかかりつけ医は「あれ?」と思った段階から相談することができる窓口です。早く対応することで進行を遅らせることができますし、もし認知症になったとしても周囲の人が知識を持って関わることができれば、自分らしい生活を続けることができます。
地域包括支援センターでは今後も認知症について知ってもらう機会を作っていきます。村民の皆さんも「こんなこと相談していいのかな」と思う段階から、ぜひ気軽にご相談ください。
問合せ:
猿払村国民健康保険病院【電話】2-3331
地域包括支援センター【電話】2-2090
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