【今月のテーマ…めまい】
筆者…留寿都診療所医師 糸矢 宏志
診療所の外来受診時に「めまいがする」と訴える患者さんがいます。「めまい」と一口で言っても、実は状態も原因も様々です。
◇めまいの症状 大きく3種類に分類
「めまいがする」と患者さんが話すときは、
(1)気が遠くなる感じ
(2)はっきりしないふらつき感
(3)ぐるぐる回る感じ
(1)気が遠くなる感じ
何らかの原因で脳の血流が少なくなり「失神一歩手前」の状態です。不整脈など心臓の血管の問題で起きることもあります。また、起立性低血圧(立ちくらみ)などで起きることもあります。
暑い時期は、脱水症状で生じることもあります。胃腸からの出血で起きることもあるため、症状が強い場合は病院で受診してください。
(2)はっきりしないふらつき感
「なんだかフラフラする」、「クラクラする」という症状の原因は多様です。高齢者が筋力低下で歩くとふらつくということもあります。また、心療内科的な原因のときもあります。心臓、血管が原因のときもあれば、脳や耳が原因の場合もあります。症状が辛かったり、長引いたりしたときはいつでもご相談ください。
(3)ぐるぐる回る感じ
「回転性めまい」と言われる状態で、周りの景色が回転するようにぐるぐる回る感じがして、吐き気を催すこともあります。このようなめまいの場合の9割は耳鼻科領域(耳)の問題ですが、小脳梗塞や出血などが原因で起こる場合もあります。普段から血圧の治療を受けている方は注意が必要です。
座ってじっとしているとめまいの症状は落ち着いているのに、寝たり起きたり、頭を動かしたりすると30秒から60秒めまいが続く症状は「良性発作性頭位性めまい」であり、耳の奥の三半規管という部分で小さな耳石が移動することで生じます。耳石を元の位置に戻す処置をすると症状は治ります。
しかし、安静時でも治まることがなく続くような回転性めまいについては、小脳出血や梗塞、前庭神経炎などの緊急の治療を要する疾患かもしれません。我慢をせずに病院で受診してください。
参考図書:「研修医当直御法度第3版百例帖」
寺澤秀一 三輪書店
【健康カレンダー8月】
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