きらり

4／45

このコーナーでは、市内外で輝く人を紹介します

■“生涯勉強”
地域社会に役立つことを命ある限りつづけていきたい
本多ミドリ(茶名　宗翠)さん
[小浜町]

「こんにちは」。小浜歴史資料館の一室に、園児たちの元気な声が響く。「はい、こんにちは」。優しいまなざしで答えるのは小浜町の本多ミドリさん。月に1度、地元園児にお茶を教えている。
「少しでも日本の伝統文化を伝えていきたい」。本多さんがボランティアで続ける子ども向けの茶道教室は20年を迎えた。「おりこうちゃんね」。丁寧な口調で褒めながら作法を伝える。園児たちは興味津々な様子で、正座を崩すこともなく、ピンと背筋を伸ばしてお茶と向き合う。そんな姿に、自然と本多さんも笑みをこぼす。
「教えているけど、教えられているの」。茶道を学び続け、指導する立場になっても現状に満足しない。「命ある限り、地域の皆さんや社会に役立つことを続けていきたい」。茶道だけではなく、着付けも教える場を持つ。「いくつになっても生涯勉強」。今年で89歳。素敵な笑顔が輝く。