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知っておこうアイヌ文化 フンペリムセ

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北海道白老町

イランカラプテ。スーパーで見かけることはあっても、高価でなかなか食卓に上ることがないクジラ。しかし、かつては日本の食卓を支える重要な食材でありました。クジラはアイヌ語でフンペと呼ばれ、アイヌ民族は海に出て漁を行うより、浜に打ち上げられたクジラを食用にすることがほとんどでありました。白老地方でもフンペリムセという踊りが伝承されており、そのストーリーは、ある日、目の見えない老婆が海岸を歩いていると、大きなものにつまずき、それがクジラであることに気がつきます。アイヌ民族にとって、クジラが浜に打ち上げられることは、カムイ(神)が肉や油をいっぱい詰め込んだ倉をコタンに送ってくれたと考え、喜んだと言います。老婆は「フンベヤンナー(クジラが上がったよ~)」と村人に大声で知らせます。村人たちは歌いながらサラニプ(編み袋)を背負って登場し、クジラを解体して肉を頂きます。そこへカラスもやってきて、クジラの肉のおこぼれをもらおうと、うるさく鳴いてクジラにまとわりつくのです。
このフンペリムセは、村人がみんなでクジラを分け合ったという出来事を通して、さらに、たくさんのクジラが打ち上げられることを祈って踊られます。
政策推進課 アイヌ政策推進室 学芸員 森 洋輔

問合せ:イオル事務所 チキサニ
【電話】82-6301

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