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楽しく元気に活動中 真狩村のきらりびと

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北海道真狩村

■花ユリ栽培35年大西ゆり園 大西一仁(かずひと)さん
不定期連載「真狩村のきらりびと」今回は、花ユリ栽培に取り組む大西一仁さんをご紹介します。

7月下旬、見晴地区で農業を営む大西さんの作業所を訪れると、外国人技能実習生を含む従業員の方と花ユリの出荷作業に追われていました。大西ゆり園は一仁さんで6代目、35年前に父である明さんが酪農から農業へ転換した際に、すでに切り花を栽培していた近所の石村壽章さん(故人)にアドバイスを受けながら花ユリ栽培に挑戦したのが始まりです。今や年に40種、約35万本を出荷し、農業売上の3分の1を花ユリが占めます。
花ユリの収穫は午前6時頃から始めます。まず出荷するのは去年植えた球根。そのあと今年6月に8ステージに分けて植えたものを順に収穫していきます。ほ場には寒冷紗をかけたハウスが並び、簡易的に組立て・解体ができるため、年ごとに畑を移動でき、他の農作物の作付けにも影響がありません。
かつて花ユリといえば、白い大輪の「カサブランカ」を思い浮かべました。しかし現在は球根さえ作られなくなり、色のある花ユリがトレンドとなりました。大西さんは真狩村の寒暖の差を生かし「エマニ―」「マーロン」などピンクを主力に栽培しています。今年のように暑い日が続くと綺麗に色がのらず、管理が大変ですが「大事なのは水と肥培管理だね、回数とタイミング。」長年の経験が花ユリの生育を支えています。「うちがやめたら花き市場から色のついたユリがなくなるよ」と胸を張ります。
真狩村ではもともと花ユリの球根栽培が盛んでしたが、貿易の自由化が進むと海外との競争に勝てず、徐々に切り花へ移行します。時代の流れとともに花楽しく元気に活動中き栽培は減少し、現在花ユリを栽培する農家は大西さんを含む2軒のみとなりました。
近年は価格の低迷に加え人件費、種の高騰で厳しい状況が続きますが、「親父が今でも畑に出てくるから何とかやれている。」そして「食用ゆり根栽培の技術があって今の花ユリがある。何十年もかけて改良してきた先人たちのおかげ」と感謝を忘れません。
花ユリは平成27年に村の花に指定され、生産量日本一を誇る食用ゆり根とともに、村を代表する作物です。来年も大西ゆり園の色鮮やかな花ユリが全国を彩りますよう、益々のご活躍を期待しています。

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