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自治体の皆さまへ

こんにちは保健師です

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福岡県太宰府市

■「しっかり水分を摂れていますか?」
冷房や扇風機が手放せない夏になりました。昨年の夏は熱中症の搬送数が1カ月で2万人を超えましたが、患者のおよそ半数が65歳以上の高齢者です。熱中症の主な原因は「水分不足」ですが、脳梗塞や心筋梗塞といった恐ろしい疾患を引き起こす大きな要因の一つでもあることをご存じでしょうか。
[脳梗塞]
脳血管が詰まることで脳が血液不足となり、栄養や酸素を取り込めず壊死・壊死に近い状態になる疾患です。激しい頭痛や脱力感のほか、体が痺れたり意識を失ったりし、詰まった部位によっては生涯麻痺が残ることもあります。水分不足が続くと体が血液を濃縮して血の循環を維持しようとするので、どろどろの血液が血栓を形成して血管が詰まり、酸素や栄養を循環できない状態に陥りやすくなることから、脳梗塞になるリスクを高めます。
[心筋梗塞]
虚血性心疾患の一つです。心臓につながる冠動脈の血流量が下がり、心筋で血が行きわたらず酸素や栄養が不足し、細胞が壊死・壊死に近い状態になることで、胸痛や肩の痛み、胸やけ、呼吸困難、脈の乱れ、吐き気などが現れます。日本人の死亡原因の多くを占めます。水分不足で血流が悪くなると、心筋梗塞を発症するリスクが高まります。

○水分を意識して摂りましょう
この季節は体温調整のために汗をたくさんかくので、より注意して水分摂取することが自分の体を守ることにつながります。人間に必要な水分量の目安は1日2.5Lといわれ、飲み水としてはコップにすると約6~7杯は飲まなければならない計算になります。「そんなにたくさん飲めない」「のどが乾かない」という人も、たくさん汗をかく入浴後と起床時に必ずコップ1杯の水を飲むようにしましょう。
喉の渇きは脱水が始まっている証拠です。渇きを感じてから水を飲むのではなく、渇きを感じる前に水分を摂ることが大事です。ただ、アルコールや多量のカフェインを含む飲料は、尿の量を増やし体内の水分を排せつしてしまうので、かえって気づかないうちに脱水になる危険があります。これらの飲み物を飲むときは、一緒に水やお茶を飲むようにしましょう。
※腎臓、心臓などの疾患の治療中で、医師に水分の摂取について指示されている場合は、その指示に従ってください。

○〝けんしん〟で自分の体の状態を確認しておきましょう
「水分摂取も生活習慣も気を付けている」「まだ若いから大丈夫」と思っていても実際には血管がぼろぼろで血栓が詰まる一歩手前だった…ということもあります。だからこそ、目で見えない体内のことを知るために、体を〝診る〟ことが重要です。市で受けられる健康診断として6月1日より「個別けんしん」、6月29日より「集団けんしん」が始まっています。血液検査や体重測定などで体全体の健康状態を診る健康診査と、がんの早期発見のためのがん検診を同日に両方受けられることから、ひらがなでまとめて〝けんしん〟と表記しています。国民健康保険加入者や20歳以上40歳未満の人は一般・特定健診、全市民は年齢に応じてがん検診を受けることができます。脳梗塞などの血管疾患やがんは生活習慣や遺伝によって発症しますが、症状を自覚した時には進行しているケースが多いことが特徴です。年に1回〝けんしん〟を受けて、自分の健康状態をしっかり確認しておきましょう。

元気づくり課 保健師

参考:「健康のため水を飲もう」推進運動・厚生労働省ホームページ

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