このコーナーでは、市立稚内病院の情報をお知らせします。
【産婦人科編】
今月は、「産婦人科」についてご紹介します。
◆産婦人科の腹腔鏡手術とは?
おへそを3cm程度縦に切開し、ここから細長い小型カメラを腹腔内に挿入します。
下腹部に1~3か所、1cm程度切開し、ここに鍵穴(ポート)を作成し、ここから細長い鉗子を挿入して、カメラで映した動画を見ながら手術を行います。
◆主な適応疾患について
(1)異所性妊娠(子宮外妊娠)
(2)卵巣腫瘍(悪性卵巣腫瘍が疑われる場合は適応外)
(3)子宮筋腫(大きなものは薬で小さくしてから腹腔鏡手術を行います)
(4)子宮腺筋症(筋腫と同じく大きなものは薬で小さくしてから腹腔鏡手術を行います)
(5)骨盤臓器脱(子宮脱)
【腹腔鏡手術のメリット】
(1)手術の傷が小さく、術後の痛みが軽い
(2)入院期間が短く、早期の社会復帰が可能(術後3日目に退院できます)
(3)術後の癒着が少ない
手術時間は、卵巣の手術であれば2時間ほど、子宮摘出であれば3時間前後を要します。開腹手術と比較すると多少時間はかかりますが、カメラで視野を拡大できるため、安全で丁寧な手術を行うことができ、出血量も断然少なくなります。
当科では、昨年9月から日本産科婦人科内視鏡学会の腹腔鏡技術認定医が常勤しています。全国的にみても、北海道は産婦人科の内視鏡技術認定医が多いのですが、ほとんどが札幌や旭川に偏在し、道北での腹腔鏡技術認定医在籍は当院のみとなります。
当科に赴任してからの11か月間で、56件の腹腔鏡手術(うち腹腔鏡下子宮全摘出術は32件)を実施しましたが、術中・術後の重篤な合併症は起こっていません。
◆月経や貧血症状で困っている方へ
もしかしたら子宮筋腫や子宮腺筋症をお持ちかもしれません。閉経するまで内科的な保存的治療でしのぐことも一案ですが、手術をすることで数年~十数年充実した日々が送れるかもしれません。当科では、宗谷にお住まいの患者さんのために、体への負担の少ない腹腔鏡手術で治療を行い、術後も責任を持って診療していきたいと考えています。
《診療のご案内》
令和5年11月から診療体制が変わります。
〇新患外来(初診の方はこちらを受診ください)
火曜日…受付13時~16時
※診療開始は14時30分~
〇通常外来(初診は予約外受診となるため、待ち時間が長くなります)
・午前外来(月~金曜日)…受付8時30分~11時
※診療開始は9時~
・午後外来(水曜日)…受付13時~16時
※診療開始は14時30分~
連絡先:市立稚内病院 産婦人科外来
【電話】23-2771
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