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令和6年6月市議会定例会より ~工藤市長の一般行政報告~(1)

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北海道稚内市

6月10日から17日間の会期で開催された市議会定例会では、初日の一般行政報告をはじめ、6月補正予算の審議などが行われました。

※全文は市ホームページにも掲載しています。

■稚内市サハリン事務所の移転について
稚内市サハリン事務所は、平成14年にサハリン州内の関係機関との連絡調整や交流促進のために開設した当時から、これまで本市が独自に建物を借り上げて、常駐のサハリン事務所長のもとで運営してきました。

しかし、令和2年からのコロナ禍においては、サハリン事務所長を現地から引上げさせ、その後は不定期の勤務となり、さらに令和4年に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって、サハリン事務所を再開する目途が全く立たないまま、令和5年度も同様の対応となりました。

この間、海外送金ルートが限定されるなど、サハリン事務所の維持が危ぶまれる状況となっていたこともあり、その存続を含めて検討してきましたが、昨年度末、北海道の正式なご了解をいただき、本年度からは、ユジノ・サハリンスク市の「北海道センター」内にある、「北海道サハリン事務所」の一部スペースを、稚内市サハリン事務所として使用させていただいています。

現在、「北海道センター」には在ユジノ・サハリンスク日本国総領事館をはじめ、北海道新聞、NHK、三井物産の事務所が開設されています。一日も早く、この国際問題が解決し、私たちの交流にも平和が訪れ、サハリン事務所の活動が平常に戻ることを願っています。

■令和5年度観光入込客数について
「北海道観光入込客数調査要領」に基づく、本市の令和5年度の観光入込客数は、総数49万1千300人となり、対前年度比109.5%と増加し、宿泊客延数は35万1千900人、対前年度比105.6%となりました。

入込客数の内訳は、道内客が16万800人で対前年度比105.9%、道外客は33万500人で対前年度比111.4%となり、ともに増加しました。

道内客は特に5月が増加しており、交通手段別の割合では自家用車が全体の約5割を占めていることから、新型コロナウイルスの影響を避けるため、家族や友人など少人数や個人で、北海道内を車で周遊する観光客の来訪が多くなったことなどが要因と考えられます。

道外客の地域別割合では、前年度と比較し、年間を通して関東圏からの来訪が増加しており、この効果が道外客の主な交通手段となっている航空機の搭乗者数にも表れ、対前年度比109.7%と増加しました。

外国人客数は9千399人で、対前年度比約7.5倍となりましたが、これはコロナ禍における入国制限が解除されたこと、また、中国からの観光客の現状や、現在も続いている円安の影響も大きいと考えていますが、コロナ前の令和元年度の1万5千750人と比べても、まだまだ少ない状態と言わざるを得ません。

外国人観光客の地域別では、台湾・香港・シンガポールなど、これまでも積極的にプロモーションを行っていた地域の増加が大きく、季節の内訳を見ますと、台湾や香港は個人、団体ともに夏季の入り込みが増加、また、シンガポールは年間を通して入り込みが増え、特に学校の長期休暇と重なる12月の伸びが大きかったことが特徴的でした。

繰り返しになりますが、外国人に関しては実数そのものがコロナ前と比べて、必ずしも回復しているとはいえず、今後もセールス活動の強化など積極的な誘致に取り組まなければならないと考えているところです。

■市立稚内病院の医療体制及び寄附講座開設について
令和6年度の市立稚内病院の医師数は、本年4月に旭川医科大学から、泌尿器科に9年ぶりとなる常勤医師が配置されたことにより、昨年度から1人増えて、41人体制となりました。

常勤医師の配置により、入院や手術の対応が可能となったほか、外来診療体制も週2日から週5日に拡大され、患者さんの利便性向上や診療の混雑緩和が図られていると思っています。

また、研修医ついては、北海道から指定を受けた4人の定数を満たすために、市立稚内病院における研修の魅力を様々な方法で発信した結果、定数をはるかに上回る応募がありました。

さらに、本市と旭川医科大学との間で、「寄附講座」の開設を協議しています。

この「寄附講座」は、自治 や病院から医育大学への寄附金に基づき開設される、研究・教育のための講座であり、地域に貢献する医師の育成を図るもので、本市としても、これまでの大学への医師の派遣依頼だけではなく、地域医療に熱意を持った医師が、寄附を受けた地域で診療に従事するなど、医師の確保が期待できる有効な手段の一つとして受け止めています。

旭川医科大学からは、昨年12月に講座開設の提案を受けていますが、現状では、大学側の事情など、本市が希望する診療科と大学の講座との調整に時間を要しており、今後これらの調整が図られ次第、講座開設に向けて準備を進めていきたいと考えています。

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