私達が安心して暮らし続けるためには、医療と介護が不可欠です。これからの地域の医療・介護について、皆さんと一緒に考えるため、シリーズで連載しています。今回は、介護の人材不足の中、「介護人材の確保・育成」を目的として市内事業者等とともに立ち上げた「稚内市介護人材確保・育成検討会(以下、検討会)」を紹介します。
[稚内市介護人材確保・育成検討会・編]
稚内市が作成した「稚内市高齢者保健福祉計画・第9期稚内市介護保険事業計画」では、目標の一つとして、「安心して暮らすためのサービス・支援の充実」を掲げ、「介護人材の確保・育成」を目的とした介護人材確保推進事業を実施していくこととしています。
■検討会立ち上げの背景は全国的な介護人材不足
令和7年にはいわゆる「団塊の世代」が75歳以上、令和17年には85歳以上となります。高齢者人口がピークを迎える、いわゆる「団塊ジュニア世代」が65歳以上となる令和22年に向け、介護ニーズの高い85歳以上の人口や高齢者の単独世帯・夫婦のみの世帯および認知症の人の増加も見込まれ、介護サービスの需要が増加・多様化することが想定されています。一方で、現役世代の減少は顕著で、介護人材確保や高齢者の社会参加、介護サービス提供体制の最適化が課題です。
稚内市においても、令和22年には高齢化率が42.8%になると見込まれ、令和5年度に実施した「介護人材確保のための実態調査」では、全体の61.4%の事業所が従業者数の不足を感じています。少子高齢化が進むことが予測される中で、介護職場における人材不足は深刻化すると見込まれ、介護人材の確保が重要な課題となっています。
■検討会は随時開催中
検討会では、「介護」に関する「魅力発信」「就労促進」「定着・育成」を合言葉に、構成員がアイデアを出し合い、すぐにでも取り組むことが出来ることから着手しており、事業化した取り組みには、介護職員の「初任者研修」の市内での実施のほか、外国人人材の確保や介護サービス従事者の職場への定着支援を目的とした意見交換等があります。また、小中学校の児童・生徒への「福祉・介護」の仕事に関する講座の開催や企業説明会、職場体験などの必要性に関する意見交換等も行われています。
これら意見は、随時介護人材確保に関することとして「整理」し、「課題」については、検討していくこととしています。高齢になっても安心して生活できる環境づくりのため、介護人材の確保・育成に努めていきますので、みなさまのご協力をお願いいたします。
問い合わせ:「介護人材確保・育成検討会」(事務局・長寿あんしん課)
【電話】23-6458
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