令和5年度の決算が、9月の第3回市議会定例会で審査されましたので、その内容について、お知らせいたします。
グラフ1は、一般会計歳入(収入)についての状況です。市民の皆さんが負担する市税などの自主財源は、321億7千1百万円(69.2%)、国や道からの補助金や地方交付税、市債などの依存財源は、143億2千5百万円(30.8%)となりました。自主財源の占める比率が大きいほど財政基盤が安定しているといわれていますが、紋別市は前述のとおり69.2%と横ばいで、比較的高い比率となっている理由はふるさと納税寄附金によるものです。
グラフ2は、一般会計歳出(支出)を行政目的別に分類したものですが、歳出はその性質によって、義務的経費(人件費・扶助費・公債費など収入状況に応じて任意に削減できない経費)と任意的経費に分類されます。歳出に占める義務的経費の比率が大きくなると財政の硬直度が高まるといわれています。紋別市の義務的経費の比率は17.3%となっています。
歳入歳出の差引額は、3億5千8百万円で、そのうち令和6年度に繰り越した事業に充てる財源である3千3百万円を除くと、実質的な黒字は3億2千5百万円となりました。この剰余金は、法律の規定により、1億6千3百万円を財政調整基金に積み立て、残りは、令和6年度補正予算の財源として処分します。
表1は、紋別市が設置している特別会計の決算状況です。特別会計とは、特定の事業を行う場合、特定の歳入をもって歳出に充て、一般会計と区別して経理する必要がある場合に法律や条例に基づき設置できます。令和5年度末で、紋別市は8会計を設置しています。
表2は、令和5年度末の市債現在高の状況です。市債は、財源を調達する手段のほか、長期にわたり使用する社会資本の世代間負担の調整という役割も持っています。市債残高約218億円のうち、市営住宅使用料など市債を償還するための収入や、地方交付税による元利償還金の算入などが、175億円程度見込まれており、市民の皆さんの税による実質的な負担は、43億円程度となります。
表3は、令和5年度末の基金残高の状況です。基金は市の預金のことで、年度間の財源の不均衡を調整するための基金である財政調整基金や、法律や条例に基づいて特定の目的のために活用することができる特定目的基金などがあります。令和6年度現在、紋別市の一般会計においては、15の基金を条例により設置しています。
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