町長室

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四島への思い
毎日、朝起きると目の前に大きな島「国後島」が、いつものように横たわっている。天気の良い日は真っ赤な太陽が島の向こうから顔を出してくる。すると、辺り一面が濃いオレンジ色に染まっていく。
漁師として船の上から見ていた時は、朝日に向かってつい手を合わせてしまうくらい神秘的な感じにさせられる景色である。
そのような風景は、羅臼に住んでいる私たちには日常の景色なのだが、どことなく寂しく感じてしまうのは、私だけではないだろう。
戦争が終わった後にロシアによって強制的に追い出されてから、77年が過ぎてしまった。四島の出身者も平均87歳となっている。
ロシアとの関係がますます悪化する中で、長い年月をかけ、関係者たちの強い思いと努力で築いてきた交流事業も出来なくなってしまった。もう残された時間が少ない中、せめて上陸しての墓参だけでも再開するために一層努力しようと、真っ赤な朝日に誓った。